世界レベルのナンプレを解こう

2020年4月21日

パズルと謎

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次の土曜日(2020年4月25日)に行われるナンプレ(数独)の大会「ナンプレ ジャパンオープン 2020」に参加し、その模様を書いていきます。[2019年版の記事]

【この記事は2020年4月21日〜30日頃にかけて更新していました】

どんな大会?

私にとっては毎年の恒例行事になっている、パズルのオンライン大会が2つあります。そのうち1つが、この「ナンプレ ジャパンオープン 2020」です。

……本当はちょっと違って、例年は「WSC選抜大会」といいます。これは世界ナンプレ選手権(WSC)の日本選手を決める大会なのですが、今年はWSC延期により名称が変わりました。しかし中身は、もともと予定されていた選抜大会のままで行うようです。なお、「数独」と「ナンプレ」は呼び名が異なるだけで同じパズルのことです。

この大会は、ネット環境、パソコン、プリンタがあれば誰でも参加できます。大会ページはこちらから。私も参加し、本記事でその模様を記録していきます。

「大会」というと猛者ばかりが集まって……というイメージがあるかもしれません。実際、この選抜大会で選ばれる日本選手団は世界一レベル[2019年レポート]なので、それでこんな記事タイトルにしてみました。とはいえ参加者全員がそういうガチな人たちということはなく、例えば私は「5問解ければ上出来」ぐらいのレベルです。こわくないです。

例題1番

インストラクション(出題されるナンプレのルール説明など)は、先日から公開されている。私はナンプレ自体1年ぶりなので、とりあえずインストの例題を解いて肩慣らしをしておこう。例題は使い回されていることがあるため、既に解いた問題も出てくるだろうが、気にせずやっていく。

まずは第1問、変則ルールなしのスタンダードナンプレの例題を。11分30秒。結構かかったぞ。この後は全て変則ルールのついた問題になるが、ナンプレそのものをもう少し解いたほうがいい気がしてきた。何か問題集を探してみようかな。

(4月21日 記)

ナンプレファンで肩慣らし

普通のナンプレをもっと解いておこう、ということで雑誌『ナンプレファン』2020年6月号を買った。

久々に買うナンプレファンには、「ウォームアップ!」なるコーナーができていた。初級ステージ、中級ステージ、上級ステージの最初の2ページがウォームアップとなっている。「このマスからこうやって解くといいよ」というヒントが付いており、かわりに通常の難易度マークや目標時間表記はない。

まず初級のウォームアップの最初3問(2〜4)を、ヒントに従って解いてみた。基本手筋をもれなく使えるようにすることが目的なので、できるだけ平易な考え方を使う。タイムも計らずに落ち着いて解いた。真面目に練習やってるでしょ?

結果大きく詰まることなく、3問ともおそらく5,6分ほどで解けた。これが自分の「ナンプレ基礎力」ということかも知れない。どんなに易しくてもこれぐらいはかかる、というような。知らんけど。

その後、最初の方の問題だけ解いてみた。作者をある程度散らしたいので、奇数番号のみ。

以下、津内口真之さん作
9番(難易度1、目標8分) 最後もたついた。4分39秒
11番(難易度1、目標8分) 1回ハタンして半分ぐらい消す。8分07秒
13番(難易度2、目標10分) 「見えない数字」(今井洋輔さん命名)という手筋を何度も使った。4分57秒

以下、E坂もるむさん作
15番(難易度1、目標8分) 斜めにこだわる初期配置が綺麗。6の決まり方に気持ち良さがあった。6分44秒
17番(難易度2、目標10分) 決まっていない箇所を何度も無駄にチェックしてしまった。8分53秒
19番(難易度2、目標10分) しばらく手が止まる。一番右の列に注目すると加速した。9分28秒
21番(難易度2、目標10分) 対称でない初期配置が面白い。6分20秒

今日はここまで。

(4月22日 記)

昨年版の記事を振り返る

せっかくこうしてブログに記録しているのだから、昨年(2019年)版の記事を振り返って、傾向と対策を考えよう。

昨年の記事→[ナンプレを解いてドイツに行こう]

まず、本番の時間の使い方は以下の通りだった。「○」は解けた、「×」は解けなかったという意味。
↓スタート
7分で○10点
13分で○15点
14分で○25点
6分で×(33点)
36分で○28点
23分で×(32点)
18分で×(20点)
↓終了
そんなに大きな失敗はなかったと思う。ただ、33点や32点に手を出したのは小さな失敗(ラストは残り時間から選んだから仕方ない)。それより易しいであろう22点、26点の問題があったからだ。

そして昨年の考察というか感想として、
解答を入力した問題については全て正解で、4問。(略)まあ、こんなもんという感じはする。
かなり配点と正解者数がきれいに対応しているように見える。
という記述がある。だから、おそらく解ける問題数はせいぜい4問前後。相手にするべきは、易しい方から8問程度だろう。それより上は潔く捨てなければ。

以上から、今年は40点以下までだけを解く対象にすることにした。何対何ナンプレ(50点)とか二桁昇順ナンプレ(57点)とか面白そうだが、大会後の楽しみにしておこう。それから、今年大きく傾向が変わる可能性も否定はできないが、まあそのときはそのとき。

(4月23日 記)

例題2, 7, 9番

インストの例題を解き進める。配点の低いもののうち、9番までの3問。

例題2(幾何学) 既視感があるのできっと解いた問題なのだろうが、気にしない。幾何学ナンプレは、「1個の数字が同じブロックに対して2方向に効く」ところが好き。12分20秒

例題7(大小奇遇) メモが大変なやつだ。奇数・偶数はマスに大きく△・○で、小・大はマスの左肩に「小」「大」で解いた。17分40秒。解いた後に、1問上の奇数偶数ナンプレと違う記号を使っていることに気づいた。まあいいか。

例題9(禁ナイトステップ) 割とよくみるルールながら、ほとんど解いたことがない。でも解き味はいいなあ。10分10秒

(4月23日 記)
(4月24日 修正、「配点の低い方から3つ」と書いていましたが、誤っていたので直しました)

例題10,11番

インストから、さらに2問。

例題10(サーモ) サーモ手筋のいろいろな形が味わえて楽しい。このレベルでもう何問か解いてみたい感じもある。で、ナンプレ手筋がおろそかになるのもよくあること。13分00秒

例題11(足し算アロー) まさに例題という感じで親切……と思いきや終盤でハタンした。少しいじる程度では直せず。

睡眠を取るほうが大事なので、解き直さずに寝よう。例題解きはおしまい。

(4月24日 記)

ナンプレファンでさらに練習

大会前、少し時間があったため、再び『ナンプレファン』を解いた。

まず中級ウォーミングアップを★と☆だけ。60の☆以外はすぐできた。60の☆は1分半ぐらい考えて、「色付きマスのどれかに5が必ず入る→左下ブロックで5が入れるマスは☆だけ」という流れで解いた。多分これでよいと思う。

続いて、本番でも解くであろう幾何学ナンプレを少しやることにした。

以下、木田景さん作
151番(難易度2、目標15分) 数字探しでえらいもたついた。16分20秒
153(難易度3、目標20分) 意識していたつもりはないが、X-Wingが見えて使えた。17分00秒

(4月25日 記)

大会本番

4月25日昼、ナンプレジャパンオープン本番。13:00〜15:00の2時間。

[残り120分]
パスワードが公開され、大会スタート。1,2ページ目だけをまず印刷、正しくプリントできていることを確認し、3ページ目以降の印刷をかけてから最初の問題を解き始めた。

[残り118分]
1-(1) スタンダード
約6分で解け、順調。(正答なら15点)

[残り112分]
次に解く問題選びで少し迷い、そもそも次を決めておかなかった事実に少し焦る。
1-(2) スタンダード
10マスぐらい埋めて手が止まる。下から2列目で5の入る位置、上から2列目で3の入る位置を探すなど、列ごとに見ることで少し手が進む。手応えはある。しかしここでまた停滞。12分ほど経っているが、まだまだ相当かかりそう。中断を決意。

[残り98分]
10 サーモ
全体で2番目に配点の低いこの問題へ。中央の温度計の先端から手をつけた。そのほかも温度計の両端からちょっとずつ埋まっていく。そこまで大きく立ち止まらずに解けた。(正答なら22点)

[残り86分]
2 幾何学
最初にあまり数字が入らず不安に。その後もかなりまずく、「細い」ブロックから解けるのだろう、と思い込んで重点的に探してしまった。難しいことをしていないがもたついた。途中で何度も中断を考えたが、1-(2)を中断しているため、こらえて解き切った。(正答なら28点)

[残り64分]
9 禁ナイトステップ
自分にとっては山場になりそうなところ。16マスぐらい埋まるあたりまでそれなりに順調。ここでぴたっと止まる。何回も盤面を見直しても進まなかったが、「1」の入りうる位置に印を付けたらあっさり進んだ。他の数字についても同様にすると進み、なんとか解けた。(正答なら30点)

[残り35分]
ここで一旦回答入力。身の振り方を考える時間帯だ。候補は中断中の1-(2)と、残りで最も配点の低い大小奇偶のどちらか。事前に立てた方針(低配点を解く)から、他の可能性は捨てた。トイレに行って戻り、大小奇偶に決めた。

[残り29分]
7 大小奇偶
例題と同じように地道に解くのみ。ゆっくりとしか進まないが、行き詰まり感はあまりなく、無事解けた。このルールは、ナンプレが苦手な人にはまだマシなのかもしれない。(正答なら35点)

[残り6分]
再度回答入力し、大急ぎで1-(2)へ。

[残り5分]
1-(2) スタンダード
もう時間からして「引きに行く」しかない。3択を決め打ちした。ぐっと集中し直すと、どんどん進む! ……しかし残り半分ぐらいのところで破綻。まだ2分ある。3択に戻って2つめの道へ。これもまずまず進む。しかし残り27マスでタイムアップ。アンサーキーは1つも埋まっていなかったので、悪あがき入力はしなかった。

[終了]
5問。去年よりプラス1。自分としては、悪くはない。ただ、立ち止まって盤面を睨んでいる時間が妙に長く感じた。難しいものだ。

(4月26日 記)

結果と感想

結果が発表された。今年と昨年の成績を比較してみよう。なお、制限時間はどちらの年も120分。

今年(2020)
自分の順位/参加人数 70位/104人(上位67%)
自分の得点/1位の得点 130点/893点(15%)
自分の正解数/1位の正解数 5問/21問(24%)

昨年(2019)
自分の順位/参加人数 60位/81人(上位74%)
自分の得点/1位の得点 78点/726点(11%)
自分の正解数/1位の正解数 4問/18問(22%)

ということで、3つの指標で見ていずれも良くなった。嬉しい。以下、結果PDFを見ての所感を箇条書きで。
  • まず、誤答がなくて良かった。
  • 自分の周辺の順位を見ても、問題1-(2)はおおかた解けている。やはり圧倒的ナンプレ力不足。
  • (数えてないけど)セルフメイク、クローン、何対何は配点の割に解けている人が多め? 面白そうだからかなあ。
  • 1-(1)を飛ばしている人もいるのは興味深い。スタンダード全飛ばしも検討に値するか。
  • 1位の方が満点まで残り1問とは。難度調整極まってるなあ。

(4月27日 記)

4番(ビッグバンド)の例題と本題

ここからは、本番で解けなかった問題のうち、興味を惹かれたものを解いていく。自分にとっては難しすぎるものもあるだろうが、そういう場合は例題だけ解いて満足しておこう。

今日は4番ビッグバンドナンプレ。過去に1,2回だけ解いたことがあると思う。

まず例題から。5マス長のバンドが3つ、6マス長が2つ。ナンバースケルトンだと思えばごく少ない数だが、向きが2方向あるため、思った以上にじわじわ解けていく。むしろ、こういう2方向ナンスケも解きたくなった。めんどくさいだけか。大きく詰まるところはなく13分20秒

続いて本題(今井洋輔さん作)。全部同じ長さで来たか。バンド中央のマスに着目すると、意外と素直に埋まっていく。じわじわという感じもない。予約(定員確定)ぐらいの理屈で十分解ける。で、最後まですんなり行った。14分30秒

どちらも楽しかった。このルール、もっと解いてみたい。それにしても本題のタイム、1分当たりの得点効率で言うと、本番で解いたどの問題よりも抜群にいいぞ。問題選択ミスったか? リラックスして解いたからかもしれないが……

(4月28日 記)
(4月29日 更新、本題に作者名を追記しました)

16番(何対何)の例題と本題

今日は16番何対何ナンプレ。新作ルールかな?

まず例題。比から2つの数が1通りに決まるものが多く、割とすんなり行った。ただ親切設計というよりは、「このルールのジューシーな部分は本番に温存しておこう」という意思をだいぶ感じる。9分35秒

そして本題(E坂もるむさん作)。右のほうに「1/2」が3つあるのが気になる。上級手筋が出るか。解き始めると、簡単に決まるマスは少ない。地道に候補数字を書き出していく。
しかし15分半経過時点でハタン。原因が見つからず、全消しした。少しメモの仕方を変えて再挑戦するが、別の箇所でまたハタンした。30分経っているのでギブアップとしよう。数字埋め作業に入る直前だったのでちょっと残念だが、予約の考え方もときおり使えて、それなりに気持ちよかった。

あとあれよね。「2/3」の一方に6が入って、もう一方がまだ確定してないの、セクシーだよね。

(4月29日 記)

17番(二桁昇順)の例題

続いて17番二桁昇順ナンプレ。たぶん新作。ルールを読んでの印象は、調べる部分がメインで注意力の勝負になりそうだな、と。

では例題。全体を見回した後、中央ブロックに上から1〜9が入る、と気づいた。ここまでに1分ほど。その後は実に亀の歩み。⑥が1通りに決まることに気づいて、ようやくエンジンがかかった感じ。23分00秒もかかってようやく解けた。ただ、リストへの記入忘れ、ごく簡単なナンプレ手筋の見落としも多く、情報量についていけなかった感じ。

例題ですらこんな調子だから、本題はやめておいた。

(4月30日 記)

13番(アンダー)の例題と本題

最後に解くことにしたのは、13番アンダーナンプレ。新作ルールと思われる。盤面は「9探しナンプレ」を思わせるが、制約がやや弱く、難しそう。ところでこの問題、ルールを読んだ時点で「今回の稲葉枠だろう」と直感した。解答を見ると果たしてその通りだった。

では例題。うん、これは面白い。アンダールールとナンプレルールの絡み方が絶妙で、ツボにズボズボ入る。ただシンプルながら、なぜか勘違いしがちでヒヤリとする。12分00秒で解けた。

本題(稲葉直貴さん作)は今回最高配点だが、ダメ元で挑戦しよう。数字なしでかなりのインパクト。やってみると、矢印の数字を推理する手筋が増えてさらに楽しい。やはり大きい数字・小さい数字が埋まりやすく、おおむね9→1→8→7の順に解けていった。半分ぐらい埋まってからはモタモタしたものの、24分40秒で解き切れた。やったぜ。

(4月30日 記)




本記事は以上です。作問・大会運営された皆さま、ありがとうございました。

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