脳トレシリーズの思い出を語る

2020年1月14日

ビデオゲーム

t f B! P L

任天堂の『脳トレ』シリーズ(『鬼トレ』含む)の思い出を語ります。だいたい1日1本、発売順に。筆者はシリーズの全ソフトをプレイしています。省力のため箇条書きでやります。

【この記事は、2020年1月14日〜20日に少しずつ更新していました】

無印脳トレ(DS)

まずは初代。2005年5月19日発売、ニンテンドーDS対応の『東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』について。[公式サイト]

以前にも脳トレソフトはあったものの、任天堂からはこれが初。凄まじいロングセラー(次の『もっと〜』の方がさらにすごかったけど)で、これがブームというものかと痛感した。
  • 初めてソフトの情報が公開されたときは『〜川島隆太教授脳を鍛える〜』というタイトルだったはず。「教授の脳を鍛えるゲームみたいやん」というツッコミが入り(想像)、現タイトルになったようだ。
  • 筆者は一時期このソフトのタイトルを暗記しているのをプチ芸にしていた。誰得。
  • 発売前の公式プロモサイト(「Touch! DS」という名前だったか)の思い出。おじさんが「色彩識別」をやって、間違えた時に「やられたー」と言っていたのが印象に残っている。
  • 初回の脳年齢チェックは確か27才で、実年齢22才よりちょっと上だった。
  • 筆者の身の回りの人にも随分プレイしてもらった。帰省時に、家族に「ちょっとやらせてよ」と言われたのも、ビデオゲームでは初めての経験だったと思う。
  • 15人ぐらいに脳年齢チェックをやってもらったが、実年齢より若く出たのは、おそらく母だけだったと思う。母(故人)は聡明だったので、納得できた。
  • 叔父が実年齢+20才ぐらいに出て、「これ、本当?」ととても心配そうな顔で聞かれたのが随分記憶に残っている。
  • 「順番線引」はそもそもアルファベットの11番目ぐらいからを覚えていなくて、ほとんどギブアップになっていた人もいた。
  • 「人数数え」で煙突から人が出入りしたのは本当に笑った。
  • 文字認識については、「任天堂でもこれだけ誤認識が出るか」という思いもあったが、それをねじ伏せて最適化した文字の書き方をする、という攻略も楽しかった。
  • 人は音声が認識されないと大声で言い直すのだな、と思った(大抵の場合は逆効果だと思う)。次作ではそれを踏まえたのか、認識失敗時のメッセージが変わっていたはずだ。
  • 遊び始めの頃は飛行機級が最高だと思っていたので、ロケット級を見たときには驚いた。
  • 毎日欠かさず遊ぶことを推奨する、1日に繰り返して遊ぶことが推奨されない、というスタイルは新鮮に感じた。2ch掲示板などではカレンダーを進めてすぐ全トレーニングを出しちゃう人もいたようだけど。
(1月14日 記)


もっと脳トレ(DS)

わずか7ヶ月後に出た続編。2005年12月29日発売、ニンテンドーDS対応の『東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング』。[公式サイト]
  • 何と言っても、トレーニングだけで14種もあって満足度が高かった。税込¥2,800でこの数、というのがより良かった。
  • しかもトレーニング・脳年齢チェックとも総入れ替えというのが驚いた。「計算20」を潔く捨てられたのはすごいと思う。
  • 無印では、数えるのと計算がメインという感じでIQテストっぽさが強かったが、こちらは「名曲演奏」や「聖徳太子」によりバラエティ感が増して好印象。
  • 大きい新要素が漢字入力。ほんと不思議なもので、「漢字書き取りって楽しいんだな」と感じた。味付け次第なんだなあ。
  • 漢字の認識は、誤認識がごく少なくて快適だった。ただ、適当でも正しい字に認識されやすすぎて、良く言えば攻略、悪く言えばインチキしやすいなとも感じた(例えば「省」という字が思い出せないとして、左半分に「少」、右半分に「目」と書いても正解になるような。また、「目」を「日」に替えてもおそらく正解になると思う)。
  • 一方で、漢字の書き順が一般的でない人は、かなり認識されにくかったようだ。筆者の弟はまともに遊べていなかった。
  • 「算術記号」の「難しい」、ときどき整数で処理し切れない難問が出て苦労した。
  • 「漢字合成」は、乗り物のランクで考えると難しかったなあ…… 他で新幹線級以上を逃すことは稀なのに、漢字合成は自動車級で上出来だった。
  • 算術記号や漢字合成といった大ハマりがある種目は、スコアシステムが不満だった。とはいえこれ以外の方法はどれもややこしくなるとは思うが。
  • 「漢字記憶」も「5×5記憶」も9割ぐらいの正解率で安定していたが、これらはどうもテクニックを競っている側面が強い気がした。
  • 「細菌撲滅」はマルチにカプセルを処理する、さらに落下中にも次のカプセルが投下される(これはたぶん上級のみ)というのが実に楽しかった。
  • 帰省したとき、家族4人全員で遊んでいた。トレーニングを一通り終えると、無印に差し替えて遊んでいたほどの熱量。
  • ビデオゲームなど触ったことのない父が真剣に「グー」「パー」とか言ってた光景は実に良かった。今だと老眼で遊べないだろうなあ。
  • 音声認識ものや「聖徳太子」が始まるとテレビの音量を極小にしていた。ガチ勢か?
  • 細菌撲滅だけ、弟が母を上回るのが面白かった。ゲームというものに対する経験値があるんだなあ。
  • テレビCMが始まると周囲の話題になったり、笑っていいともの年末スペシャルでやっていたり、類似商品が多く出たり、これがブームか、と痛感した。
(1月15日 記)


ちょっと脳トレ文系編(DSi)

『もっと』3年後の2008年12月24日配信、DSiウェアの『東北大学加齢医学研究所川島隆太教授監修 ちょっと脳を鍛える大人のDSトレーニング 文系編』。同『理系編』と同時配信。[公式サイト][社長が訊く]

「DSiウェア」というものについて少し説明。まず「ニンテンドーDSi」というゲーム機は、ニンテンドーDSの「バージョン1.5」のような存在。DSとDS Liteはハードウェアの形状や重さが違うだけで中身はほぼ一緒、遊べるソフトも同じだったが、DSiはカメラが搭載されるなど色々プラスアルファされていた。そのプラスアルファのうち1つが、DSiウェアというDSi専用のダウンロードソフトだ。

最初に、DSiおよびDSiウェアに関する思い出。
  • 筆者にとっては、「多くのゲームを持ち歩き、切り替えて遊ぶ」という快感を初めて味わったゲーム機だった。DSiの本体メニューの気持ち良さも手伝って、とにかく快適だった。
  • しかもミニゲーム的なソフトが好きな筆者にとって、任天堂発の小さいソフトが遊びまくれるというのは最高だった。この頃通勤時間が長かったので、楽しいゲーム生活だった。
  • 一方、本体ストレージが足りない(SDカードは挿せたが、DSiウェアのデータは保存できない仕様)のが非常に残念だった。このためだけに何台もDSi持とうか、って考えたもの。
では、ちょっと脳トレ文系編について。
  • 最も思い出深いのが、家族が嬉々として顔写真を撮っていたこと(脳年齢チェック後の写真撮影)。
  • 「漢字破壊」の「宇宙」がとても楽しかった。相当な集中力でやっていたと思う。心地よい疲労感。
  • 寮の給食の写真を毎日撮っていたので、「直前写真」でDSi内の写真を使うモードを選ぶと、似たような写真だらけで地獄だった。
  • そして「段位認定」。脳年齢20歳からのレベル差がでかくて燃えたなあ。最高ランクまでやった。繰り返す気にはならなかった。
  • 段位認定で一番詰まったのが、圧倒的に「漢字書取」のランク。全問が「難」になり、1ミスも許されないという(「難」は漢字検定準1級ぐらいの難しさだと思う)。確か150日ぐらいここで足踏みした。
  • 「教授設定」でコメントを減らすとメガネだけになるのが笑った。やはりメガネが本体。
(1月16日 記)


ちょっと脳トレ理系編(DSi)

続いて、DSiウェアの『東北大学加齢医学研究所川島隆太教授監修 ちょっと脳を鍛える大人のDSトレーニング 理系編』。『文系編』と全く同じく、2008年12月24日配信のDSiウェア[公式サイト][社長が訊く]
  • 「高速数え」とかやらされると、理系……? ってなるよね。まあ。
  • ナベアツ、もとい「倍数探し」。この並行処理は意外と難しいんだ、という気づきがあって良かった。
  • 「加算破壊」の「格闘」は、文系編の「漢字破壊」以上にハマった。これに関してはもっと他のタイプのステージとか、難しいバージョンもほしかった。
  • 「釣銭渡し」が『もっと』より再収録されたが、いつまで経っても若干苦手だった。四則計算の中で、引き算が最も工夫し甲斐ないからなあ、と分析してみる。
  • 段位認定、最後の関門が「計算100」という豪速球で燃えた。しかも「1分」というカリスマ性のある(?)ハードル設定。
  • 段位認定は2周した。一番詰まったのは、2周とも計算100であった。あとは順当に、後ろのものほど苦労した感じ。
  • 文系編より遊んだはずだが、どうも記憶が薄い。数字ばっかりだとそうなるんだろうか。
(1月17日 記)


ちょっと脳トレ数独編(DSi)

文系編・理系編の約4ヶ月後、2009年4月22日に配信された、DSiウェアの『東北大学加齢医学研究所川島隆太教授監修 ちょっと脳を鍛える大人のDSトレーニング 数独編』。[公式サイト]

無印『脳トレ』の海外版(日本版より半年ほど遅れて発売)には数独が追加収録されていた。当時、数独は欧米で大ブームだったのだ。この数独編は、日本向けに数独部分を切り出したもの、という側面もあるかも知れない。
  • この頃ナンプレのソフトが多く発売されていたが、任天堂から、しかも数独育ての親のニコリから出たということにインパクトがあった。堂々の「数独」名義。
  • とはいえ筆者は正直惰性で買った。他のニコリのペンパソフトは解いていたが……
  • ソフト容量が小さいのは美点。
  • 「大きく書くと通常の記入、小さく書くとメモ書きになる」という操作法は、極めて直感的で興味深いものがあったが、やってみるとイマイチだった。特によくないのが、「大きく書かなくてはいけない」ということだ。何回も数字を書くわけだから、面倒なのだ。
  • 大きい7を日本人の一般的な書き方で書くと、1画目を書いた時点で小さい1と認識されるなども。そのまま書き続ければ問題なくできているが、少し気持ち悪い。
  • まあ普通に楽しむことはできたが、任天堂・ニコリというブランド名からすると、もう1歩上の楽しさ、快適さを求めたかった。数独はこの画面サイズでは根本的に難しいと思う。
  • 母は、練習問題がわずか1マスで終わる(クリア演出になる)ことに妙にウケていた。
(1月18日 記)

(1月19日 文系編・理系編に「社長が訊く」へのリンクを追加、数独編に海外版への言及を追記)


鬼トレ(3DS)

プラットフォームがニンテンドー3DSに変わった、『東北大学加齢医学研究所川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング』。もっと脳トレから実に7年後、ちょっと脳トレから数えても3年後の2012年7月28日発売。[公式サイト][社長が訊く]

3DS全ソフトを通じて初めての、パッケージ版と同内容のダウンロード版が発売されたソフトである(同日発売だった『Newスーパーマリオブラザーズ 2』も同様)。他にも3DSならではの点が多く、3D映像あり、すれちがい通信対応、いつの間に通信対応、体験版あり、などなど。また、ハードの持ち方が縦持ちから横持ちになった。

  • いやあ、本当に厳しいトレーニング。そして、その分めちゃくちゃ燃えた。
  • モードもトレーニングも本当に盛りだくさんで、大満足だった。¥2,800から¥3,800に上がったけど安い安い。
  • 鬼トレは超集中、鬼トレ補助はタイムアタック、脳トレはソリティア&ゆったり、とまるで方向性が違ったのがまた良かった。1本のソフトで、ここまで気分や時間の都合に応じて遊べるとはすごい。
  • 全てのトレーニングが出るまでの期間が40日もかかるのは残念なところだった。筆者にとっては、後ろの方の間隔が長すぎた。少しだけ遊ぶ人にはこれで良いだろうが、熱心に遊んでいたら早回しで出してほしかった。

  • 鬼計算、鬼ブロック、鬼カップは比較的得意だった。最も苦手なのは鬼めくりだった。
  • 鬼計算は、6バックぐらいまでは1個ずつの「先入れ先出し」で進めていたが、数列ごと覚える方法(6バックなら6個をひとかたまりで覚えて、その6個を順に書きながら新たな6個をひとかたまりとしてを覚える)に切り替え、その先まで進めた。最高記録は速い13バック。
  • ただ、インタビューか何かで川島教授が「トレーニングに徹するならテクニック活用はダメ」と言っていたと思う。どこからがテクニックか曖昧だが、おそらく筆者の実力は9バックぐらい。
  • でも教授は速い15バックなんだよなあ[解析レポート]。強すぎる。まあ表彰状にも15バックがあるし……
  • 鬼記号は、一度全記号の洗い出しをして名付けを徹底すれば記録が伸ばせただろうが、嫌なのでやらなかった。アドリブ的な覚え方を入れることが美学だった。でもそれを差し引いても苦手だったと思う。
  • 鬼ブロック、鬼ネズミなどは見る能力も必要なのかなあとは思う。何と言うか、いわゆる動体視力よりはゆったりしたものだけど。
  • 全体的に、「最初の何個かは声に出して覚え、次の何個かは手の動きで覚え、残りは無意識の中にしまうイメージで覚える」みたいなことをやって自分の限界まで記憶していた。

  • 漢字破壊と加算破壊が2種類ずつも入るとは。トランプのソリティアが3種類も入ったのもびっくり。
  • どれだったか、「ものすごく難しい」が本当に難しいやつがあったような。「同色整列」だったかな。
  • 「陣取対局」面白かったなあ。要素を増やすと単独でゲームになりそう。
  • 面クリア式のソリティアは終わりが来てしまうとさびしかった。
  • 全種目の最高記録の一覧が見られるので、「ものすごく難しい」などの1勝目を意地になって取りに行った。一方、名曲演奏は100点1回で最高の表示になってしまうので物足りなかった。
  • 「集中時間測定」、一瞬正解にならないとめちゃくちゃ焦る。適度にゆっくり答えていくのが独特の緊張感があってよかった。あとBGM変化が任天堂っぽい。
3DSを引っ張り出したが、
SDカードがなく起動できなかった。
かわりにプレイ時間だけ

(1月19日 記)


スイッチ脳トレ(Switch)

現在の最新作はNintendo Swith対応ソフト東北大学加齢医学研究所川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のNintendo Switchトレーニング』。2019年12月27日発売。[公式サイト]

鬼教授は鳴りを潜め、いつもの平和な教授に。Joy-Conを活かした新トレーニングが目玉で、他にも新機能多数。一方、トレーニング/テスト種目としては過去作からの再収録も多い。

  • 過去作からの再収録が多いが、自分の衰えを知る意味で良いかも。
  • やや複雑な種目、中途半端に思えた種目がなくなっている感じで、オールスター感ある。続編やDLCへの布石かも。
  • 読み上げ速度を問う種目(高速数え、新聞音読)が復活。これらの記録は、やはり匙加減じゃないかなあ、と思ってしまい、気持ち悪い。
  • 実写(風)の絵が使われたメニュー、脳トレに馴染んでるなあ。
  • 気まぐれイベント(お絵かきとか俳句とか)やお題(セリフ読み上げとか)がきれいさっぱり消えた。今っぽい。のか?

  • Switchになってタッチパネル方式が変わった(感圧式→静電式)が、ペンの入力感は若干の低下程度で、意外と悪くない。名曲演奏で同時押しができる分、まあいいかと思える範囲だった。
  • 数字入力は同じぐらいか、ほんの少し認識しにくいぐらい?
  • 漢字入力はインチキしにくくなった。これは改善されていると思う。
  • ひらがな入力は、かなり意図しない認識をされてしまう。どうして?
  • そして指入力はなかなか曲者。グーチョキパーはほぼ問題ないが、指計算の3,4本が時々うまく入らない。さらに、たまたま合っていると超速で進んでしまうのが難しい。
  • ペン操作とボタン操作の併用は、違和感なかった。

  • 数独で、同数字が全て点灯するサポート機能が強烈。数字を探すのが面倒なタチなのでこれは嬉しかった。
  • 終わった後にフレンド内のランキングが出るのはめちゃくちゃ良い。張り合いが出る。
  • ロケット級のラインが厳しくなっている気がするのは歳のせいかな……

今日の記録
せっかくなので、今出ている全種目をやってみた。脳年齢チェックの単語記憶が爆死気味(17個→28才)で総合20才ならず。漢字合成も残念だけど、これは普段と比べて少し悪い程度。直前写真と指計算は自己最高。[購入時からこの日のプレイまでのまとめ(Togetter)]

(1月20日 記)


この記事はここまでです。

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