シルエットパズルで遊ぼう

2019年11月11日

パズルと謎

t f B! P L

「シルエットパズル」と呼ばれるタイプのパズルをいろいろ解いてみたいと思います。

シルエットパズルというのは、決められた形のピースをうまく組み合わせて、指定された図形(影)を作るもの。平面パズルですね。特に有名と思われる作品に『Tパズル』や『タングラム』があり、この2つはどちらもこの記事中で扱う予定です。

なお、当ブログのパズル系記事は「パズルと謎」タグから見られます。よかったらこちらもどうぞー。

※ シルエット(問題)の掲載に問題があれば、この記事へのコメントか筆者Twitter(DM開放しています)へお知らせ下さい。

【この記事は2019年11月11日〜20日にかけて更新していました】
【2020年4月4日に少し追記(目次の6番)】

The-T(Tパズル)

こんな不恰好なTじゃダメよ
まずは、古典の『Tパズル』。4ピースを使って、アルファベット大文字の「T」を作ろうというもの。たった4ピースということで遊びやすい。1個だけやや複雑な凹五角形があるのがミソ。
こいつです。こいつがいかんとです。
もともと有名作だけど、近年ではテレビ番組「中井正広のブラックバラエティ」で取り上げられて売れたらしい。

このパズルは何種類も製品化されているが、今回はD-1プロダクツ社の『銘木NOBパズルシリーズ The-T』、2003年発売の新パッケージ版を使ってみる。シルエット数(問題数)は47問で、従来より増えているそう。ピースも触っていて気持ちいい。

まずは第1問、基本のT問題。これは何度も解いているので、まったりと。やっぱりいいなあ、この形。

続いて、2問目〜ラストまでを一気解きした。こちらも昔少しは解いたことがあったが、まあ忘れていると思うので。シルエットに問題番号が付いているのは実に嬉しい。似た問題が続いて、少し組み換えるだけで終わってしまうものが数組あったが、まあご愛嬌といえる範囲かと。37〜46問目は、図が微妙に違うだけなのにそう簡単に解けない問題で、パラドクス問題なんて言ったかな。穴あき問題、半端な長さの辺がある問題などもあり、4ピースでここまでできるんだなあと。
微妙に違うシリーズ
タイムは全47問トータルで1時間23分かかった。問題ごとに一覧にすると、以下の通り(分単位、1分未満切り捨て)。
01番〜  0-0-0-0-5  1-6-1-1-0
11番〜  0-4-2-0-0  2-0-0-0-3
21番〜  0-2-0-0-0  2-2-3-0-0
31番〜  0-0-0-8-0  3-0-1-0-3
41番〜  1-0-0-5-3  2-2
一番長くかかった34番
いやあ、意外と大変だった。既に結構お腹いっぱいだけど、このあと大丈夫か?

(11月11日 記)


The-F(Fパズル)


Tの次はFだ。トリト商品紹介ページにいい感じの誤答写真がある。こちらも有名作で、今度は6ピース。同形ピース2個×3種であるとは言え、4ピースよりはるかに難しいと思われる。Tに続き、銘木NOBパズルシリーズの『The-F』新パッケージ版を使った(先ほどのトリトのリンクとは異なるのでご注意)。

まずはメイン問題の「F」。過去にやったことがあるようなないような、曖昧。少なくとも覚えてはいないので普通に解いてみる。……2分18秒。ところでこれ、ただ「Fを作って」とだけ言われるのと、シルエットを見てやるのとでは難度が相当違うよな。シルエット無しだったらもっとずっと悩んだと思う。

さて次は問題集。34問で、The-Tよりは少ない。冊子ではなく、1枚の紙のオモテウラだけだ。また、問題番号はなく、代わりにシルエット名が付いている。同シリーズなのに何故いろいろ仕様が違うのだろう。まあ名前があること自体は嬉しいけど。

Tでかかった時間とFのピース数を鑑みると、この全問を解くのはちょっと大変すぎるように思われた。そこでとりあえず、オモテ面の左上の一角を解いてみた。7問で合計38分20秒かかった。内訳は以下(分単位、1分未満切り捨て)。
F 2分
D-1 1分、D-2 6分、O 9分
0分、ハト-1 11分、ハト-2 6分

もう少し解きたいと思い、明日に続く。タイムの羅列ばかりになってもつまらないので、解いてる時に考えていることなどを書きたいなと。問題の取捨選択をどうするかは考え中。

(ここまで、11月12日 記)



The-Fの続き。いかにも中途半端だけど、ウラ面の左上の一角(7問)を解いて終わることにした。問題を分類する以下のような観点で考えたとき、このあたりが良いバランスと思ったのだ。
  • 線対称形か否か
  • 点対称形か否か
  • パラドクス問題か否か
  • 長方形に近いか
  • モチーフが有機物か無機物か抽象的な物か
解いた7問で合計49分10秒。解いた問題とタイムは以下(分単位、1分未満切り捨て)
穴-1 16分、穴-2 1分、穴-3 3分
カカシ 11分、記念碑 7分、ツボ 2分、工場 8分
(実際には綺麗に1問ずつ解けたわけではなく、
「穴-1」考え中に「穴-3」が解ける→「穴-1」を一旦断念→「穴-2」を解く→「カカシ」を解く→「記念碑」を解く→「ツボ」考え中に「穴-1」が解ける→「ツボ」を解く→「工場」を解く
という流れをたどった。タイムは、適当に分配した)

一番苦戦したのが「穴-1」。オモテ面の長方形に近いタイプの問題を先に解いていたら、もう少し早く解けたかもしれない。

さて、シルエットパズルを解いているときに何を考えているか。筆者は別に優れた解き手ではないが、一応なんとなく理屈を使って解くことがある。
  • The-Tなら、凹五角形ピースがどこに入るか。でもあまりうまく行かなかったので、最大のピースから考えるように軌道修正した。こちらは有効だったように思う
  • シルエットが正方形いくつ分の面積か数える。これで「斜軸か否か」など、いろいろ分かる
  • The-Fで、全体が対称系なら、半分に分けて解けるか
  • 小さい出っぱりや小さい穴があるとき、どのピースを組み合わせて作るか
……でもなんだかんだ適当に組んでることが多い気がする。

(11月13日 記)


ハコネパズル 004 Home Plate


今日から3日は、『ハコネパズル』シリーズからピース数の少ないものを解いてみる。このシリーズは全6作が出ているようだ。詳しくは、作者の1人であるKohfuh Satoh氏のページを参照。サイズは銘木NOBシリーズよりコンパクトで、木の見た目も感触も良い。


まずは『ハコネパズル 004 Home Plate(ホームプレート)』に手をつける。わずか3ピース! その名の通りホームプレート形を作るのがメイン問題で、シルエット数は18個。

やってみると、さすがに易しかった。全18問トータルが3分22秒。1分以上かかった問題は無し。4ピースのThe-Tとの落差が興味深い。それはピースの複雑さも関わってくるだろうけど。

気持ちよく解けるので、子供からお年寄りまで遊べそう。

(11月14日 記)


ハコネパズル 003 DIDI

形がD・I・D・I
続いて『DIDI(ディディ)』。ピース数は4。同形2個が2組であり、全て三角形というシンプルさ。ただし直角はなく、それなりにトリッキーかも。

特別、メイン問題という扱いの問題はないようだ。そこで頭からどんどん解いてみると、全46問トータルで58分50秒かかった。問題ごとの所要時間は以下の通り(分単位、1分未満切り捨て)。
01番〜  0-0-0-2-4  1-1-2-1-0
11番〜  0-0-0-0-2  2-0-0-0-0
21番〜  0-0-1-0-0  0-0-0-0-0
31番〜  0-2-0-0-0  0-0-0-2-0
41番〜  19-1-0-0-0  0
19分? 19分かかったってマジ?
いや、圧倒的に41番ですよ。12分やって、「図が違うのでは?」と何度も疑って、1回断念して、後から戻ってきて7分おかわりして、解けた。なんでこれが見えなかったのか。あーー。

その他、感想などを箇条書きで。
  • 頂点数が少ない図形の方が難しく、そして楽しかった(01〜11番など
  • 対称シルエットで非対称な組み方の解答図と出会ったぼく「すごい」
  • 図にピースの角を当てて角度が同じか、何度も確かめた
  • 16番、大ピースを入れるところがなく解なしでは? と思った。これが一番好き。
  • 22番、ねこかわいい
このピース構成で46問というのがすごい。前の問題を少し組み換えるだけですぐ答えになる、というものも何組かあったがそこまで水増し感はない。そういえば、なんとなく生物感のあるシルエットが多かったような?

(11月15日 記)

ハコネパズル 005 CROWN


さて3つ目は『CROWN(クラウン)』。4ピースだが、その構成が「A, A, B, B'」という感じになっている。つまり、同じものが2つと、少し違うものが2つだ。これで王冠の形(マジカル頭脳パワーのアレ)を作るのがメイン問題なので、非対称のピース構成で線対称形を作る、という面白さがある。

さてまずは王冠から。全体を直角二等辺三角形3個に分けて埋めようとすると上手く行かないことが分かる。……3分21秒。おお、なかなか苦労した。これは面白い。

シルエット集は全24問合計44分40秒かかった。問題ごとのタイムは以下の通り(分単位、1分未満切り捨て)。
01番〜  3-1-0-0-7  0-0-0-0-7
11番〜  1-0-0-0-1  0-0-0-0-0
21番〜  3-0-1-9

ラスト24番は、実は解けていない。なんとなく解答図らしくなったところでタイム計測を終わりにしたが、どうしても対称形にならない…… まあ時間切れということにさせてほしい。

以下、難しく感じた問題などいくつか取りあげる。
  • 05番。頂点の数が多いシルエットなのに時間がかかった。大ピースの置き場所をずっと間違っていたのが敗因。
  • 09番まで全て45度単位のシルエット表示だったのに、10番で微妙な角度が登場。それで感覚を狂わされたけど、面白い。
  • 13番ぐらいからはほとんどピースの形が浮き上がっているように見えて易しかった。DIDIでもこのぐらいの番号から易しかったかも。4ピースで絵らしくしようとするとこうなるのか。
  • ピース構成ゆえか、シルエットもちょっとだけ対称が崩れているものがあってなんだか微笑ましい。
これでハコネパズルシリーズは一区切り。24番は気が向いたらやることにして、明日からは古典作品に戻る。

(11月16日01時頃 記)


……ここまでを約21時間前に書いて、今帰宅して24番やったら1分で解けたのでタイムのところ直しました。

(11月16日22時頃 記)

Kohfuhさんのツイート

【この項目のみ、後からの追記です】

ハコネパズル『Home Plate』『DIDI』『CROWN』3作の作者であるKohfuh Satohさんが、本記事の更新中にTwitterでコメントを下さいました。だいぶ日にちが経ちましたが、ここに紹介させていただきます。






貴重な創作資料の写真もありますね。ありがとうございました。

(2020年4月4日 記)


タングラム


さあ、いよいよシルエットパズルの王様の登場。その名はタングラム。名前を知らなくても、やったことがある人は多いんじゃないだろうか。

ピース数は7と本記事中最多。しかし形は極めて扱いやすく、おそらくFパズルより易しい、と言ってよいと思う(もちろんシルエット次第ではあるけど)。7ピース中5ピースが直角三角形というのが最大の特徴だろうか。また、2ピースだけで全体の半分もの面積を占めているため、これらの大きいピースから考え始めれば簡単に解けることがある。
下の5個は全て直角二等辺三角形
タングラムは無数に製品化されているが、今回はハナヤマ社『かつのう』シリーズのものを使ってみる。ピースは木製。シルエットは120個で、シルエットごとに名称あり、番号はなし。5つのカテゴリに分かれており、内訳は以下の通り。
  • 初級(25個)
  • 中級(25個)
  • 上級(25個)
  • アルファベット(25個。「I」だけない)
  • タングラム・パラドックス(20個。2個の似たシルエットが10組)
なかなか良い構成じゃないだろうか。とりあえず、初級・中級・上級のそれぞれ最初の1ページ(5問)を解いてみよう。かかった時間は以下(分単位、1分未満切り捨て)。合計は15問21分00秒
初級(「数字の“8”」〜) 0-1-0-1-0
中級(「ユーレイ」〜) 0-1-1-3-0
上級(「馬上の人」〜) 1-0-1-2-1

初級から上級まであまり差がないように見えるが、「7つ並べて、正誤判定のためにもとの図とよく見比べる」だけでもそれなりに時間がかかるためだと思う。半端な位置を使う問題だとなおさら長引きがち。初級はピースが浮き出ているように見えるので、やはり易しくは感じた。明日、もう少し解いてみよう。

(ここまで、11月17日 記)


左を考えていたら右が解けた回
(「タングラム・パラドックス」7,8問目)
続いて後ろの2カテゴリを解いた。ちょっと用事が詰まっているので映像視聴しつつマルチタスクで解いた。こういう息抜きを入れるのが長続きのコツ(正当化)。

ともかく、計13問30分40秒かなり参考記録みが強い各問題の時間は以下(分単位、1分未満切り捨て)。
アルファベット(「A」〜) 1-0-2-0-2
タングラム・パラドックス(最初の2ページ分) 8-0 3-0 1-0 3-3
(最後の2問は、左の問題を解いているつもりで先に右が解けた。時間は均等割りした

パラドックスの問題は見覚えのあるものが多い。見覚えがあるからと言って早く解けるとは限らない。

(11月18日 記)



ラッキーパズル



こちらも7ピースから成る、正統派のシルエットパズル。「あたしゃラッキーパズル派でねえ」ってな人もいそう。西のタングラム、東のラッキーパズルと言うとか言わないとか。言わないか。

7ピースのうち、五角形が1個、四角形が4個、三角形が2個なので、タングラムより複雑。全ピースを正方形には組めないと思われる。
四角形(下の4個)のうち3個が
「正方形と、その半分の直角二等辺三角形」
こちらも『かつのう』シリーズの製品を使う。問題集の仕様はタングラムと概ね同様で全120問。カテゴリ分けだけ違って、レベル1(30問)、レベル2(50問)、レベル3(40問)。

解いてみると、やはりタングラムより1段階難しいという感じがした。以下、レベル1と2の最初5問分のタイムを記す(分単位、1分未満切り捨て)。合計は10問33分20秒
レベル1(「“1”の字」〜) 2-0-3-8-1
レベル2(「キャンディ」〜) 1-9-1-2-1


最も苦戦した問題(レベル2、2個目)
このセンス好き(レベル1、2個目)
明日レベル3を解いて、この記事を締めようと思う。

(ここまで、11月19日 記)


レベル3の問題を頭から5問、計16分40秒で解いた。タイムの内訳は以下(分単位、1分未満切り捨て)。
レベル3(「ピラミッド」〜) 1-4-2-4-4

瞬殺できた問題はなく、かと言って長時間悩む問題もなく。このあたりが自分にとって、まったり解くのにはちょうどいい難度だ。たまには1問1問コメントをつけてみよう。
  • ピラミッド……ほぼ「1ピース除いて直角二等辺三角形を作れ」という問題。1分2秒かかったが、ほとんど悩んでいない
  • クマ……五角形ピースの位置から少し迷う。むしろこの時間で解けてラッキー
  • 胃……シルエット名に笑ってしまった。「でっぱりは本当にこのピースでいいの?」という駆け引きを感じる
  • ドレス……おおむね最初から答えに向かっていけたのに、ラストの仕上げ(最小2ピースの位置)がなぜか思いつかず、答え寸前で立ち止まってしまった
  • ルビー……2軸対称で正統派パズルっぽい。こういうのをまとめて解くことでピース構成への理解が深まりそう。最小2ピースを合体させて探していたのをやめた瞬間、答えが見つかった
以上、ラッキーパズルは都合15問解いたことになる。これは全体の1/8。遊ぼうと思えばしこたま遊べるね。

(11月20日 記)



というところでお開きにしたいと思います。本記事は「Tパズルとタングラム、もう一度押さえておきたいな」と感じたことを動機に始めましたが、途中に現代の作品(ハコネパズル)も触れて、個人的にも満足度高いです。Twitterで反応をくださった皆さん、ありがとうございました。

今回は普通のシルエットパズル、しかもピース数も少なめのものをメインに扱いましたが、他にもいろいろと解きたいものがありますね。またの機会にやりましょう。

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