コメント付き天体ショーにコメント付ける

2020年4月11日

パズルと謎

t f B! P L
パズルや思考ゲームのブログpzdcさんにて、「天体ショー」というパズルの難易度別問題集が披露されていました。こちらのページです。たっぷり35問あります。
(「天体ショー」については、下で説明します)

そしてこの問題集、1問ごとにコメントがついているのです。これだけまとまった数の問題で、かつひとつひとつコメントがついていることは珍しいと思います。本記事ではこれらの問題を解けるところまで解き、こちらもコメントを付けてみようと思います。私のコメントを読むだけでは何が何だか分からないと思いますが、一応ネタバレにご注意を。

なお、私は紙に印刷して解いていますが、PCやスマホの画面上でも解けるようになっていますので、ぜひ皆さんも問題集の記事から解いてみてください。

【この記事は、2020年4月11日〜4月15日の間、更新していました】

どんなパズル?

天体ショーは、雑誌『パズル通信ニコリ』に載っているパズルです。「オモロパズルができるまで」(通称「オモパ」)というパズル創作コーナーで生まれました。

初掲載は2001年の96号、原作者はゲサクさんです。

パズルのルールについては、ニコリの公式説明ページをご覧ください。要は、点対称の図形に区切るパズルです。そして、解き終わった後で指示通り塗りつぶすと、絵が浮かぶのです。

この記事で解くpzdc問題集の天体ショーは、白い○のみなので絵は出ず、パズルに特化しています。実は天体ショーがニコリに載り始めたときも、これと同じ仕様(絵が出ない)でした。

レベル1(e1〜e19)

コメントに続けて、かかったタイムを記す。「e1」などが問題番号。

レベル1は19問あり、問題数で見れば全体の半分以上だ。なお、レベル2以降もそうだが、サイズは全て10×10。配置のみでの難しさの違い、解き味の違いを感じ取ることができる。

e1
出題コメント通り確かに解きやすいが、ちょっと狭苦しく、線も多くてもたつく感じ。4隅の配慮については、コメントを読んで「なるほど」と。1分41秒

e2
ちょくちょくデカめのブロックができて楽しい。コメントに「少ししつこめに教育的な形」とあるが、このぐらいの繰り返しは結構好き。2分10秒

e3
初めて消しゴム出動。e2よりダイナミックさは薄く感じる。1分46秒

e4
ここから、ほんの少しだけ目で先を見るようにしたので、タイムが速くなっている。たまに4回対称形が出てくるのが良いアクセント。1分16秒

e5
初ハタンだが小規模。e2と違って、上2行の単調さはイマイチに感じた。行内にとどまって下に波及しないからかな? 1分29秒

e6
5,6マスブロックができるとパズルっぽい。1分30秒

e7
ラスト寸前、左下でハタン、ややタイムロス。体感ちょいムズ。脳内で図形認識能力(点対称になっているかのチェック)が稼働しているのを感じる。2分00秒

e8
右下のS字ブロックに、少しレベルアップした感を受ける。出題コメントは「最後少し考える」とあるが、特に考えなかった。最後と想定しているのは、上半分の中央より右のあたりだろうか? 2分08秒

e9
これはコメント通り。狭い路地はとても気持ちいい。縦1×横3の3つ子のブロックができるの、好き。1分41秒

e10
でかいブロック! いいインパクト。ここまでで使わなかった「薄い線」を使った。1分50秒
薄い線っていうのは、こういうやつ

e11
1分59秒でハタンからの全消し。4分05秒時点でまた全消し。それぞれ違うところで間違えたはずだが、明確には分からない。左下は確かに爽快。6分07秒

e12
左下のあたり、ハタンかと思ってヒヤッと。よく見たら生きてた。いかにも「天体ショー解いてる」、って感じがする。3分18秒

e13
全消し1回。中央、大ブロックになる時の周囲の決まり方が気持ちいい。5分12秒

e14
ブロックが「太く」、ここまでとはまた違った感覚が味わえた。2分40秒

e15
マギレがやや多い。初めてはっきりと手が止まった。左上の8マスブロックが突破口になった。3分36秒

e16
出会い系(?) 2分27秒

e17
連鎖的に決まっていくのが最高に快感。1分45秒

e18
1分38秒で手が止まった。その時点の写真が以下。うまく言えないが「n択が回廊状になっている」というイメージがあった。2分54秒


e19
かなり手が止まって、卒業試験感ある。コメント通り「漠然と難しい」という感じがするし、ちょっと雲を掴むよう。5分55秒

────────

レベル1は以上。全19問51分25秒。この中でも難度の差は結構ありそうだけど、まだまだ気持ちよく解けるレベルだった。

(4月11日 記)


レベル2(o1〜o8)

続いてレベル2。8問。なお、問題のコメントは解いてから読むようにしている。

解いている最中、あるいは解いた後の写真をいくつか載せるので、今一度、ネタバレにご注意いただきたい。

o1
簡単に引ける線を引いた後、ぱたっと手が止まった。左上隅を糸口として解いていけたが、これに気付かなかければ結構時間がかかったかも。3回ぐらい「ポイント」を見つけて解いた感じ。手が止まる→連鎖的に手が進む のサイクルがかなり気持ちよかった。最終的にでかい左右対称の形ができているのも面白い。4分30秒

o2
いきなり大海原に放り出されたかのような低密度問題! どうなるのかなと解く前からワクワクした。自明な線を引いてからぼんやりと全体を眺めていると、なんとなく下図のAマスが目に止まり、それで一気に解けた。もしかしたら、秘孔を突いた感じかもしれない。出題コメントの「弱い」という表現は良いなあ。2分08秒

o3
穴あきブロックはいいぞ。しかも、でき方が素敵。2分59秒

o4
最後に小さいハタンを起こした。コメントの「パリティ」を見て、「そうだっけ?」と思ったけど、確かにハタンを直しているときの操作はパリティを利用していたのかも。そうでもないかも。1分48秒

o5
星の遠くに急にブロックが発生して楽しかった。
シャーペンの先がそれ
コメントは「少し狙いが見えづらい」とあり、確かに「3つの星による取り合い」は意識しなかったが、全体としてはなかなか強烈な印象が残る問題だった。4分53秒

o6
薄い線を斜めに引くという手法を、この問題集においては初めて使った。「H」型のブロックができたときに、文化的な豊かさを感じた(?) 3分21秒

o7
まさにコメント通りで、半端に線を引いた。パタパタと決まる箇所が適度に出てきて心地よい。一番下の行、「1ブロックになるのか? ならないのか?」みたいな心理的な駆け引きがあるような。3分30秒

o8
レベルの最後を飾るからか、正統派っぽい。じわじわ解けた。3分21秒

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レベル2はここまで。全8問で合計26分30秒。まだまだ快調。ただ歯応えは出てきたし、各問題の個性が分かりやすくなってきた。

1問の平均時間で見ると、レベル1の162秒に対し、レベル2は199秒。意外と変わらない。ただこれは、各レベルの問題を一気解きしているから、レベル1の中盤以降はちょっと集中力が落ちていた……という事情があるかもしれない。タイムはせいぜいそのぐらいの目安だと思う。

手筋についてはそれほど言及できていない。私が手筋を語るには、もう少しゆっくり解く必要があるかな。

(4月12日 記)


e18をふりかえる

問題 e18(レベル1)で「手が止まった」と書いたところ、Twitterにて、pzdcさんがそこからの進め方を解説してくださった。

この進捗状況は、私が上げた写真とほぼ同じ。「このマスに着目すれば手が進む」という箇所が、こんなにたくさんあったのだ。

「n択がつながっている」という私の感想は、部分的にはそういう点もあったかもしれないが、ちょっと難しく考えすぎていたかな。単純な見落としをナメてはいけないなあ。


「ペンパ本のEasy」というのは基準としても分かりやすい。解説ありがとうございます。

(4月13日 記)


読んで考える

同ブログには、天体ショーの手筋についての記事もある。

私は、手筋の解説があっても最初は読まないようにしている。最大の理由は、手筋の発見が、パズルの面白さの大事な部分と考えているからだ。しかし、手筋を知っておくことには、言葉を節約できたり、より高度な考え方ができたりという利点がある。もちろん難問を解くのにも役に立つ。

4レベル中2レベル分まで解いたこのタイミングで、手筋集に目を通すことにした。

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天体ショーの手筋 - pzdc

まずは「基本的な手筋・演出の記事」とのこと。とはいえ単純な手筋集というよりは「議論」であり、本質的、本格的なもの。私にとっては十分理解できなかった部分もある。でもこうして言語化されることで頭の中がクリアになった感じはするし、「回収」「成長」「チェーン」などは用語として便利そうだなと思う。

この記事を読むことで、問題o3の「対称破綻閉じ込め」、上のTwitter解説における「broken chain」などはよく理解できた。また、気持ち良い演出はこうして設計できるのか、と感心した。

あと、
「天体ショーは全てのマスを回収するパズル」と書いたが、逆に全ての星が全てのマスを重複して回収している状態からスタートして、不要な回収を除去していくパズルとも解釈できる。
↑この考え方はすごいなあ。

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天体ショーの手筋2 - pzdc

今回はもう少し「現実的な」作問の目線で演出面を考える。」との記事。解くテンポの制御、パリティやユニークネスとの戦いが垣間見れて興味深い。

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天体ショーの手筋3 - pzdc

「初心に帰って、「形」と「線」に注目した視点で整理する」との記事。形状ごとに色々な用語が付けられているのが、すごく好き。

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これ以降のコメントに活かせるかは分からないが、こういった様々な考え方に立脚して問題が作られているんだな、とたまには思いを馳せてみたい。

(4月13日 記)


レベル3(t1〜t5)

パズル解きに戻り、レベル3。t1〜t5の5問。「t」はtoughのtだろうか。

解き味をできるだけ感じ取るために、つまらない見落としをなくすよう、ゆっくりめに解くことにした。

t1
意識して少し高級っぽい手筋を使ったので、ちゃんと書いておこう。

上図、A星がBマスを回収したとすると、Cマスがどの星でも回収できなくなる。この手筋は今までにも数回用いたと思うが、しっかり味わえたので満足。4分40秒

t2
コメント通り、「見えた!」と早とちりしそうだったけど自制心が勝ってバッチリ解けた。4隅の趣向、むしろ上級問題っぽい遊びで好き。3分22秒

t3
1回全消し。最大のブロックの形を間違えないよう、慎重に慎重に進めた。9分44秒。時間がかかっているが、難しいことをやったわけではなく、地道に解いた感じ。

t4
ど真ん中近くの星がどう伸びるか、これもt3と近い感覚で、丹念に、慎重に。大きめのブロック(面積7以上ぐらいの)がそれぞれ違う感じの形になったのが素敵ね。11分00秒
薄線の形に謎が残る
t5
左下、いかにも何かある感じ。で、期待を裏切らない面白さ。

左下→左上→右下と進んで最後は右上、という感じで解けた。8分25秒

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5問トータルで37分11秒。立ち止まることははっきりと増えたけど、全体をくまなく見渡せば手が進むという感じ。

小難しい考えが必要なのかなあと思っていたけど、単純に調べるだけでもかなり行ける。せいぜい1手の先読みがあったかどうか、かな。ちゃんと理屈を使えれば、また違った風景が見えるのかもしれないけど。

(4月14日 記)


問題t5について追記
t5の出題コメントが誤っていた可能性があるらしい。下記ツイートを参照いただきたい。

(この部分、4月15日 記)

レベル4(x1〜x3)

いよいよラストのレベル4。x1〜x3の3問だ。e→o→t→xってのは、アルファベットの昇順にもなっていて機能美を感じる。

無心で解いていこう。写真があるので、しつこいようだけどネタバレ注意。

x1
いくつか臭そうなマスに着目して、確定しないか検討する。2手ぐらいまでの軽い先読みも織り交ぜていく。
7分経過時点で、上図の点線がぼんやり見えた。合っていたようで、そのまま完成できた。10分10秒

x2
簡単に決まるところが非常に少なく、ちょっと身構えた。前問と同様にいくつかのマスに着目していく。例えば下図の斜線マスあたりが怪しいなと思っていた。
(実は既に間違っている箇所がある)
10分経過時点ぐらいで、下図Aマスを回収できるのが中央のa星しかないことに気づいた。
「・」はa星が回収できないマス。
これを付けることで薄線が引けた
あとは慎重に解き進め……が、序盤で間違っていたので当然ハタン。全消しし、ここまで16分ほど。2度目は最初からA-a-A'を追って行き、結果25分50秒で解けた。

x3
左上の5連斜め星、そのやや右下の3連斜め星、綺麗。左下あたりを進めたところで盤面を見ると、やはり簡単には決まっていかない。そこで、x2の要領でポイントを探すと、見つかった。

ただ、Aとaを結ぶときに上を通るか下を通るかが簡単に決まらず、張り巡らされているマギレの周到さにため息。これはすごい。でも全体としては10分30秒。x2を先にやっていなければもっと苦戦したかも。

────────

3問トータルで46分30秒。いやあ難しかった。ただ、他パズルで本当に難しいもののような停滞感はなかった。1マス1マス検討していけば、進んでいる感じはするからかな。

というわけで全問解き終わり! なんとかできたぞ! 絵なし、オール10×10という統一仕様のため、解き味が分かりやすかったと思う。

天体ショーは原理的にそうなのか、難しい理論を理解していなくても十分解けた。少しは先読みが必要だけど、図形だけだからか、嫌じゃない先読みなんだよなあ。

また機会を見て、web上のパズル問題集を解いてみたいと思います。pzdcさんありがとうございました!

(4月15日 記)


【この記事はここまでです】

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