ミュルミドーン Myrmidons

2019年5月30日

ネスターゲームズのゲーム紹介

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コマの正体を推理し指揮官撃破 ミュルミドーン

データ(ネスターゲームズ公式サイトより)
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◆タイトル: Myrmidons
◆人数: 2人
◆複雑さ(1〜5): 3
◆時間: 15分
◆価格: 23ユーロ(基本セット)
◆ゲームデザイナー: Néstor Romeral Andrés
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日本語説明書へのリンク
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相手のコマを推理しつつ戦うゲームミュルミドーン(Myrmidons)を紹介します。
「ミュルミドーン人」という、ギリシャ神話に登場する民族がタイトルになっています。世界観的には、ミュルミドーン人の軍隊同士の戦いを表現しているようです。

このブログでは初めて、ランダム要素はないが、見えない情報があるタイプのゲームです。ガチガチの思考ゲームは苦手、という人にいいかも知れません。

コマの個性

2人で向かい合って遊ぶゲームです。自分のコマを持ち、相手の方に進軍させていきます。ここまでは、チェスや将棋とほとんど同じですね。
コマはアクリル製
どのコマにも、剣、盾、足跡のマークがいくつか描かれています。これらがコマの各能力を表します。どのコマでも、これらのマークの合計は9個になっています。「攻撃は強いが移動力は低い」など、一長一短になっているわけです。
剣3、盾2、足跡4
1コマだけ、剣・盾・足跡が1個ずつしかないコマがあります。これが「指揮官」コマです。
指揮官
そして、このゲームでは基本的にコマを「立てて」扱うのです。相手にはコマの能力値が見えないわけです。ここが最大の特色です。


ルール説明

準備

2人用ゲームです。
両プレイヤーが同じ内訳で6個ずつコマを持ちます。ボードを、短辺が手前に来るよう(縦7×横6になるよう)に置きます。
各プレイヤーは、最前列の各マスに1個ずつ、好きな並びで自分のコマを置きます。コマは立てて配置し、自分だけがコマの能力値を確認できるようにします。
初期配置例
コマを立て終わったら先手をランダムに決め、ゲームスタートです。


手番

両プレイヤーが交互に手番を行います。手番には、「通常移動」か「指揮官の命令」のどちらかだけを必ず行います。


通常移動

コマを1つ選び、足跡マーク以下のマス数だけ、縦・横・斜め45°に一直線に移動させます。他のコマを飛び越えたり、自分のコマと同じマスで止まることはできません。
足跡4個→移動力4
青点のマスに移動可能。
黄色丸のマスに移動すれば戦闘が起こる
相手のコマと同じマスに止まると、戦闘が起きます。両コマを開示して能力値を確認します。
  • 撃破成功 - 自分のコマの剣マークが、相手のコマの盾マーク以上の数だった場合。相手のコマをゲームから除外します。
  • 撃破失敗 - 自分のコマの剣マークが、相手のコマの盾マーク未満の数だった場合。自分のコマを1つ後ろ(移動したのと逆方向)のマスに戻します。
戦闘後、開示したコマを再び立てて隠します。


指揮官の命令

指揮官に隣接(斜めOK)しているコマを何個でも選び、1手番でまとめて動かします。指揮官自身も動かします。
移動の制限は「通常移動」と同じですが、どのコマも同じ方向に動かさないといけません。動かすマス数はそれぞれ異なってもかまいません。

(以下の写真では、分かりやすさのため自軍のコマを寝かせています)
移動の例。AとBの2箇所で戦闘が起きる
隣接しているコマの一部だけを動かすのもOK
戦闘は全ての移動が終わってから、1つ1つ処理します。処理方法は「通常移動」のときと同じですが、撃破失敗のときにすぐ後ろにもコマがある場合、後ろにあるコマたちも一緒に1マスずつ後ろに戻します。
Bで撃破失敗の場合、
pのコマも後ろ(右下)に戻る


決着

次の3つの条件のうち、1つでも達成すればゲームに勝利します。
  • 相手の指揮官をゲームから除外する。
  • 相手のコマ4枚をゲームから除外する。
  • 自分の手番開始時に、自分のコマ1個以上を最も奥の列に置いている。


バリアント

  • 戦闘の後、開示したコマはそのままにする(コマを寝かせたままにする)と決めておいてもよいです。
  • 別売りされている拡張のコマを持っていれば、いくつかの遊び方を選べます。自軍のコマをランダム選出して始める、通常の2倍の数のコマを使うなど(詳しくは説明書参照)。


プレイ感など

あえて名前を出さずに説明してきましたが、『ストラテゴ(Stratego)』や『軍人将棋』に近いゲームです。でも、それらのゲームとはくらべものにならないぐらい、とにかく軽いです。何せ、たったの6コマですから。さらに一斉移動により、指揮官の候補が絞られます。じりじりした感じとは程遠く、スピーディーに遊べます。

ちょっとしくじったりするとかなり短時間で終わることもあり、「もう1回!」と言いたくなるゲームなんじゃないでしょうか。

そこまで記憶を頑張らなくてもなんとかなる、というのも良いところだと思います。バリアント採用で、戦闘後表向きにすればなおさら。

一方、各コマの能力値を3種類にしたり、「指揮官を討っても奥まで攻め込んでも勝ち」として、最低限の深みは保っている感じです。指揮官の命令を使い始めるタイミングにより、展開の幅もまずまず。それと、潔くお互いのコマ構成が同じなため、「コマの内訳」みたいなサマリーがいらないのもいいところですね。



ミュルミドーンについてはここまで! 明日は、一転して本格的なアブストラクトゲームを紹介予定です!

(2019年9月14日 更新)公式の日本語説明書が公開されたため、説明書へのリンクを英語版宛てから日本語版宛てに変更し、現状にそぐわない注意書きを1つ消しました。
(補足)筆者が日本語説明書を確認したところ、本記事中のルール説明との食い違いはほぼ見当たりませんでしたので、本記事の大部分は変更していません。


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このゲームはネスターゲームズ(nestorgames)の作品の1つです。ネスターゲームズについてご存知ない方は、こちらの紹介記事をどうぞ!

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