ハナヤマ社から発売されているメカニカルパズル『かつのう PENTOMINO 2D+3D』[公式サイト]で遊んでみます。
【この記事は2019年5月25日〜29日に更新していました】
どんなパズル?
こんなブロックで遊ぶ |
(ペントミノなどについて、詳しくは[ポリオミノに関するエトセトラ]記事をどうぞ)
パッケージ |
「かつのう」とタイトルに付いていますが、特段、脳トレとか高齢者向けという感じはありません。パズル好きが遊んでも満足する難しさだと思います。
問題数は47問。平面の枠に収めるものや、指定の立体の形をつくるもの。平面問題は上の写真のように実物大の枠が書かれており、遊びやすいです。また、特定のピースのみ使うものや、ピースの色を用いるものなど、「条件付き」の問題もあります。さらに、全問題に「解答数」が書かれているのです。
これらの問題を作ったのは、小田原充宏さん。「ジャグラー小田原の箱詰めパズル天国」という連載もしている、この手のパズルの第一人者です。
本記事では、この問題集を一通り遊んでみようと思います。
6×10では、「基本問題」と「応用問題」が1問ずつ。基本問題は、単に全ピースを枠内に入れようというものだ。これはプラパズルなどで何度となくやったことがあるから、それほど苦労しないはず…… 少し手間取ったが、3分53秒でできた。
次は応用問題。これは、同色のピースが接しないようにという条件付き。えっ、すごく難しいのでは? 基本が2339解あったのに対し、こちらはわずか2解。
やってみるが、さっぱりできない。惜しいところまでもなかなか行かずすぐ破綻してしまう。予想以上に色の制約が厳しい。どうも、Tが余りがちだ。
途中からは、少し作戦を立ててやってみた。まず、3色だけで組んで行くのは相当難しいと実感したので、とにかく4色バランス良く消化していくこと。それと、オレンジはIとL、青はTとYが少し形が近く、後から両方入れようとすると困りがち。だからこれらの入れどころには注意していく。他にもいくつか工夫してみるが、答えにはたどり着かない……
ある程度時間が経ったところで、「2解」であることもヒントだと気づいた。途中まで組んで、「このまま進むと容易に3解以上導ける形」になった場合(※)、絶対に答えではない。
※ つまり対称形や置換可能形が一定数以上ある場合
結局1時間やって答えにたどり着けなかったので、ギブアップ。とりあえず今日はここまで。
(2019年5月25日 記)
作る図形は4種類。それぞれに小問として、何通りかのピースセットが与えられている。合計10問だ。全て唯一解というのがちょっと嬉しい。
使うピース数は4ピース(最後の1問だけ6ピース)。手頃だ。これはタイムアタックっぽい易しさに思えたので、1問ごとにかかった時間を記しておく。
●Uの4階立て
(1)1分12秒 (2)17秒 (3)36秒 (4)22秒
●太いUの2階立て
(1)38秒 (2)28秒 (3)22秒
●2×3×4-4
(1)1分48秒 (2)32秒
●太いtの5階立て
3分1秒
必ず寝かせるピースから考えるのがいいかな。
(5月26日 記)
やはり基本問題として、単に全ピース埋める問題がある。これも今まで何回か解いたことがあり、そんなに苦労しなかった記憶が。
……おかしい。43分40秒かかった。
最初は適当に
↓
意外とできないので、UとXだけはめて場合分け
↓
全部潰れる
という流れをやってしまった。あれぇ。
気を取り直して応用問題へ。3×5に指定された3ピースを収める問題。7問。3ピースならさすがに簡単でしょう。これは計1分21秒(ピースを選び出す時間を含む)でできた。良いリハビリ?
(5月26日 記)
全4問。使うピース数は各問4,5個なので易しめ。以下のタイムで解けた。
12ページの問題
17秒
13ページの問題
2分53秒
14ページの問題
43秒
15ページの問題
14秒
13ページの問題(斜め45°正方形)、ちょっと罠があるかも? 13,14ページの問題は、それぞれ2,3解ということで、全解を探すのも手頃だね。
次は、1つ跳ばして「応用問題2」。4×5に指定4ピースを詰める小問が9問。トータル6分5秒でできた。2問めだけドツボにはまって3分ぐらいかかったと思う。本気で解なしかと思ったもの。
さあいよいよ「応用問題1」へ。これは、6×10のときにギブアップした同色隣接禁止の問題。今度はできるか。
適当に入れていくと、6×10のときほどすぐ破綻しない。6×10よりピース同士の接触部分が減るからだと思う。まあそうは言いつつ、できないんだけど。
4×15ならではの特徴として、UにXを組み合わせると配置に苦労することが分かった。下の写真を見てもらうと分かりやすいが、XとL,Iが同色なのがミソ。
従ってUとXを組む場合、必然的に中央付近に置くことになる。それと、6×10にくらべてWとZが処理しにくい気がした。
結局、30分経ってもできなかったので時間の都合でギブアップ。宿題が増える。盆休みとかにやろう(本当か?)
問題集ラスト2ページへ。4問。全ピース使って、問題ごとに示された立体図形を作ればよい。豪速球だ。ボス感ある。
図形は4つのうち3つが直方体で、残り1つが階段状。今回は1つあたり制限時間15分としてチャレンジしてみた。
結果、(3)と(4)は解けた。
(1)は、先日苦労した3×20の亜種っぽい3×2×10で、案の定できなかった。鬼門だ。(4)は、(3)より短時間でできた。一見直方体より難しいし、解数も(2)(3)より少ないわけだが、もしかしたらこの中では易しいのかもしれない。ただ、組みながら完成形をイメージするのは難しい。
まあ、ぼくの場合、「これじゃ認識ムズいよね〜」とか言いながらいきなり長さ4,5のピースを直角におっ立てたりするので、あまり当てにならないかもしれない。
応用問題は例によって同色隣接禁止ルール。ただ、今度は小問7問に分かれている。枠は小問ごとに5×6, 5×7, 5×8, ……とだんだん大きくなっていき、指定されたピースを使う。しかも、使用ピースは1問目から順に1個ずつ追加されていく形式。例えば2問目は「1問目の6ピース+U」となっている。さらに、全て唯一解。素晴らしい!
30分で行けるところまでやってみると、1問目は1分13秒、2問目は13分20秒、3問目途中でタイムアップ。うーん、たった7,8ピースで手強い。でも面白い。
(5月28日 記)
今度は、連載「ジャグラー小田原の箱詰めパズル天国」から「ペントミノで対称形(3ピース編)」に挑戦してみよう。ここからの文章は、上のリンク先を読んでいる前提で書く。
対称形を作ろうという課題は、答えの形がはっきり示されていないという面白さがある。
ただこの対称形づくり、難問が多いのだが、この記事の問題ではサイズと「対称の種類」が明かされている。このヒントがあれば少しは解けるかもと思い、やってみようと。
全9問。1問10分以内としてチャレンジ。かかった時間は以下。
Q1. 2分8秒
Q2. 2分36秒
Q3. 1分10秒
わずか3ピースなのだから、この時間は決して早くない。つまり、3ピースでもなかなか楽しめる。Q4からは斜軸だ。
Q4. 4分21秒
Q5. 時間切れ
斜軸ではやはり認識しにくくなり、難しく感じた。Q6は変り種問題。
Q6. 6分53秒
この問題に関しては、ピースをいじっている時間より、天井を眺めて頭の中で考えている時間が長かった。それがまた楽しい。
残りの問題は6×6だが、このサイズになると枠が捉えにくく感じたので、『PENTOMINO 2D+3D』問題集の方眼を活用した。
Q7. 5分59秒
Q8. 8分0秒
Q9. 時間切れ
Iで場合分けするのが非常に有効なはずだが、先入観が外れたり、見落としたりしてちょっと時間がかかった。Iを使っても面白くなるとは、確かに意外。
というわけで9問中7問クリア。満足。対称形づくりは突然解けるような感覚が強く、できたときの「これだ!」という喜びが強い。エキサイトした。本当は、ピースは1マスごとに線が入っている方がよいね(例えば『ブロックス』のように)。あと、ピースの色分けもない方がベターかと。とは言え、『PENTOMINO 2D+3D』のピースでもそれほど支障なく遊べた。
サイズと対称性によるヒントは非常に良いんじゃないだろうか。探索空間が減るのはもちろんだけど、理詰めがそこそこ効くようになるのが特に良いと思う。
(5月29日 記)
いやー、ひたすらペントミノ(ペンタキューブ)な5日間でした。とても楽しみました。色を使った問題は結局あまり解けなかったわけですが、普通の箱詰めとは違う感覚でなかなか面白かったです。ポリオミノとこんなに向き合ったのは本当に久しぶりで。もっともっとポリオミノとお友達になりたい。
『PENTOMINO 2D+3D』という商品についても、満足度高いです。ただ、3〜5ピース問題はさすがに易しく、逆に全12ピースの問題は自分にはいささか難しいので、7〜9ピースぐらいの問題がもっと入っていたら、なお良かったかもしれません(12ピース問題については、全ピース使用という美しさももちろん重要な要素だと思いますよ)。
ところで、作問者の小田原さんは、以下のようなツイートをしています。
問題ページの例 |
これらの問題を作ったのは、小田原充宏さん。「ジャグラー小田原の箱詰めパズル天国」という連載もしている、この手のパズルの第一人者です。
本記事では、この問題集を一通り遊んでみようと思います。
6×10問題
素直に、問題集の最初のページから解いていこうと思う。最初は6×10サイズ。6×10では、「基本問題」と「応用問題」が1問ずつ。基本問題は、単に全ピースを枠内に入れようというものだ。これはプラパズルなどで何度となくやったことがあるから、それほど苦労しないはず…… 少し手間取ったが、3分53秒でできた。
こんなカンジ |
やってみるが、さっぱりできない。惜しいところまでもなかなか行かずすぐ破綻してしまう。予想以上に色の制約が厳しい。どうも、Tが余りがちだ。
途中からは、少し作戦を立ててやってみた。まず、3色だけで組んで行くのは相当難しいと実感したので、とにかく4色バランス良く消化していくこと。それと、オレンジはIとL、青はTとYが少し形が近く、後から両方入れようとすると困りがち。だからこれらの入れどころには注意していく。他にもいくつか工夫してみるが、答えにはたどり着かない……
ある程度時間が経ったところで、「2解」であることもヒントだと気づいた。途中まで組んで、「このまま進むと容易に3解以上導ける形」になった場合(※)、絶対に答えではない。
※ つまり対称形や置換可能形が一定数以上ある場合
結局1時間やって答えにたどり着けなかったので、ギブアップ。とりあえず今日はここまで。
一番惜しかったとき |
立体問題 ピース指定篇
次は、問題集の後ろの方の立体問題へ。16,17ページにある「指定されたピースで下図を作る」という問題をやってみる。使うピース数は4ピース(最後の1問だけ6ピース)。手頃だ。これはタイムアタックっぽい易しさに思えたので、1問ごとにかかった時間を記しておく。
●Uの4階立て
(1)1分12秒 (2)17秒 (3)36秒 (4)22秒
●太いUの2階立て
(1)38秒 (2)28秒 (3)22秒
●2×3×4-4
(1)1分48秒 (2)32秒
●太いtの5階立て
3分1秒
必ず寝かせるピースから考えるのがいいかな。
(5月26日 記)
3×20問題
再び平面問題に戻り、今度は3×20の長方形。細長いっすよセンパイ |
……おかしい。43分40秒かかった。
最初は適当に
↓
意外とできないので、UとXだけはめて場合分け
↓
全部潰れる
という流れをやってしまった。あれぇ。
気を取り直して応用問題へ。3×5に指定された3ピースを収める問題。7問。3ピースならさすがに簡単でしょう。これは計1分21秒(ピースを選び出す時間を含む)でできた。良いリハビリ?
(5月26日 記)
平面問題 不定形篇
次は不定形、つまり長方形でない問題。問題集12〜15ページ。枠をぴったりピースで埋めればよい。ただし、全ピース使用ではない。使うピースは自分で選択。この状態から解がある。目解きできるかな? |
12ページの問題
17秒
13ページの問題
2分53秒
14ページの問題
43秒
15ページの問題
14秒
13ページの問題(斜め45°正方形)、ちょっと罠があるかも? 13,14ページの問題は、それぞれ2,3解ということで、全解を探すのも手頃だね。
(5月27日 記)
4×15問題
続いて再び長方形モノへ。基本問題は単に4×15に入れる。これは10分10秒で解けた。答え見たくない人は薄目で……無理か…… |
次は、1つ跳ばして「応用問題2」。4×5に指定4ピースを詰める小問が9問。トータル6分5秒でできた。2問めだけドツボにはまって3分ぐらいかかったと思う。本気で解なしかと思ったもの。
さあいよいよ「応用問題1」へ。これは、6×10のときにギブアップした同色隣接禁止の問題。今度はできるか。
適当に入れていくと、6×10のときほどすぐ破綻しない。6×10よりピース同士の接触部分が減るからだと思う。まあそうは言いつつ、できないんだけど。
4×15ならではの特徴として、UにXを組み合わせると配置に苦労することが分かった。下の写真を見てもらうと分かりやすいが、XとL,Iが同色なのがミソ。
こういうこと。隙間が埋められない |
立てても、端の方に置く限りはダメ |
結局、30分経ってもできなかったので時間の都合でギブアップ。宿題が増える。盆休みとかにやろう(本当か?)
(5月27日 記)
立体問題 全ピース使用篇
図形は4つのうち3つが直方体で、残り1つが階段状。今回は1つあたり制限時間15分としてチャレンジしてみた。
結果、(3)と(4)は解けた。
まあ、ぼくの場合、「これじゃ認識ムズいよね〜」とか言いながらいきなり長さ4,5のピースを直角におっ立てたりするので、あまり当てにならないかもしれない。
(5月28日 記)
5×12問題
これでラストだよ。長方形問題の中で最後に回した5×12。基本問題はただ枠に詰めるだけで、1分59秒で解けた。ちょっとラッキー気味?応用問題は例によって同色隣接禁止ルール。ただ、今度は小問7問に分かれている。枠は小問ごとに5×6, 5×7, 5×8, ……とだんだん大きくなっていき、指定されたピースを使う。しかも、使用ピースは1問目から順に1個ずつ追加されていく形式。例えば2問目は「1問目の6ピース+U」となっている。さらに、全て唯一解。素晴らしい!
(5月28日 記)
ペントミノで対称形(3ピース編)
前項「5×12問題」までで、『PENTOMINO 2D+3D』問題集の全ての問題を一応体験したことにはなる。解けていない問題はあるし、先の小問が解けずに後の小問をやっていない、という部分もあるけど。まあ一応の区切り。今度は、連載「ジャグラー小田原の箱詰めパズル天国」から「ペントミノで対称形(3ピース編)」に挑戦してみよう。ここからの文章は、上のリンク先を読んでいる前提で書く。
対称形を作ろうという課題は、答えの形がはっきり示されていないという面白さがある。
全9問。1問10分以内としてチャレンジ。かかった時間は以下。
Q1. 2分8秒
Q2. 2分36秒
Q3. 1分10秒
わずか3ピースなのだから、この時間は決して早くない。つまり、3ピースでもなかなか楽しめる。Q4からは斜軸だ。
Q4. 4分21秒
Q5. 時間切れ
斜軸ではやはり認識しにくくなり、難しく感じた。Q6は変り種問題。
Q6. 6分53秒
この問題に関しては、ピースをいじっている時間より、天井を眺めて頭の中で考えている時間が長かった。それがまた楽しい。
残りの問題は6×6だが、このサイズになると枠が捉えにくく感じたので、『PENTOMINO 2D+3D』問題集の方眼を活用した。
Q8. 8分0秒
Q9. 時間切れ
Iで場合分けするのが非常に有効なはずだが、先入観が外れたり、見落としたりしてちょっと時間がかかった。Iを使っても面白くなるとは、確かに意外。
というわけで9問中7問クリア。満足。対称形づくりは突然解けるような感覚が強く、できたときの「これだ!」という喜びが強い。エキサイトした。本当は、ピースは1マスごとに線が入っている方がよいね(例えば『ブロックス』のように)。あと、ピースの色分けもない方がベターかと。とは言え、『PENTOMINO 2D+3D』のピースでもそれほど支障なく遊べた。
サイズと対称性によるヒントは非常に良いんじゃないだろうか。探索空間が減るのはもちろんだけど、理詰めがそこそこ効くようになるのが特に良いと思う。
(5月29日 記)
おわりに
いやー、ひたすらペントミノ(ペンタキューブ)な5日間でした。とても楽しみました。色を使った問題は結局あまり解けなかったわけですが、普通の箱詰めとは違う感覚でなかなか面白かったです。ポリオミノとこんなに向き合ったのは本当に久しぶりで。もっともっとポリオミノとお友達になりたい。
『PENTOMINO 2D+3D』という商品についても、満足度高いです。ただ、3〜5ピース問題はさすがに易しく、逆に全12ピースの問題は自分にはいささか難しいので、7〜9ピースぐらいの問題がもっと入っていたら、なお良かったかもしれません(12ピース問題については、全ピース使用という美しさももちろん重要な要素だと思いますよ)。
ところで、作問者の小田原さんは、以下のようなツイートをしています。
680問! ほんと、ペントミノっていくらでも遊べるんですねえ。ありがとうございます。— ジャグラー小田原 (@hakodumepuz) February 12, 2019
問題数は680問ほど提出しましたが47問しか採用されなかったので満足はしていないのですがね。
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