Her Storyをやるゾ

2019年5月16日

ビデオゲーム

t f B! P L

Steam(Win/Mac)、iOS、Androidで配信されているゲーム『Her Story』[Steam版へのリンク]をプレイして、その模様を書いていきます。
私が遊ぶのはMac版で、音声こそ原語(英語)ですが、字幕や入力は日本語に対応しています。
Steamの商品ページから

日本の従来のゲーム分類で行けば「アドベンチャーゲーム」ということになると思いますが、類を見ないゲームです。私もなるべく情報を集めずに買ったので、あまり分かっていません。そもそもどういうゲームなのかというところも、プレイ日記の最初の方に書いていきたいと思います。

【この記事は2019年5月16日〜24日に更新していました】

ネタバレについて
ネタバレを厳格に避けた方が良さそうなゲームですが、このプレイ日記の最初の2日分ぐらいまではあまり心配はないと思います。というのは、2日目までは「なるほど、こんなゲームかー」みたいなことばかり書くつもりですので。

芸能人が最新ゲームの序盤だけをプレイする動画、ぐらいのネタバレ度でしょうか。それも避けたい、本当にまっさらな状態で本ゲームに臨みたい、という方はここから先を読まないようにしてください

ネタバレ度が上がるところには、改めて警告を入れます。

それでは、プレイ日記の始まりです。

プレイ1日目

タイトル画面の後、最初に出るのがこんな画面。
「殺人」。いきなり物騒
何かの検索画面のようだ。検索ワードに「殺人」とある。ここはキーボードで入力、編集ができた。「殺人」を消して検索をすると、5つの映像が現れた。

271個ものクリップがヒットしたが、アクセスできるのは最初の5つまでとある。いくつか視てみると、どれも同じ女性が喋っている映像だ。長さは10秒か20秒ほど。日時の表示もある。事情聴取の記録映像のように見える。

何が何だか分からないので、「殺人」を入力し直して検索してみた。ヒットするのは3件。

やはり短い映像なので、断片的すぎてよく分からない。この女性は加害者と疑われているのだろうか? ただ、「サイモン」という名前が出てきた。

今度は「サイモン」を入力。すると何十件もの映像がヒットした。これらを視ていくと、固有名詞がたくさん出てきた。このように進めて行けばいいのかな。

ちょっと検索をやめて、画面をよく見てみる。検索のウインドウには、ブックマークのような機能、検索履歴、設定切り替えといった機能がある。それと、未視聴の映像にはアイコンが付いて、区別できるようになっている。
設定からアンチグレアをオンにしたところ。
見やすいが、雰囲気は失われるかも

また、検索ウインドウ自体をドラッグしてずらすことで、デスクトップのアイコンをさわれた。検索のやり方などを調べられたほか、ちょっとしたお遊びも見つけた。DBチェッカーというのが意味深だが、これは何だか分からない。

気になったのは、メモするような機能がほとんど無いことだ。ゲーム側で用意されているのは、ブックマーク的なものぐらいだ。このゲームは明らかにメモが必要だと思う。なので、画面のこちら側でメモを用意することにした。アナログだ。では何を記録するか。もちろん固有名詞は重要だろうが、あとは映像の日付を書こうと思う。服装や髪の長さや背景も気になるところではあるが、キリがないので。

プレイ2日目

ここまででなんとなく理解したこと。

  • 短い映像を何本も視聴して進めるゲームである
  • 検索エンジンの要領で映像を探す
  • 映像を検索して視聴する以外に、コマンド的なものはほぼ無い(現在のところ)

分からないこと。

  • そもそも目的は何だ? 何かの真相にたどり着けばいいのか?
  • 映像を視聴する以外にやることはある?

しかし、非常に興味を惹かれているので、どんどん進めていきたい。

メモを用意したので、再び最初のキーワード「殺人」から、簡単にメモを取りつつ再生していく。「殺人」→「サイモン」の後は、たくさん出てきた固有名詞の中から「ザ・ロック」(店名)を調べてみた。このとき少し横着して「ロック」だけ入力したら、ロックという単語が別の文脈で使われている動画がヒットした。こういうこともあるんだな。ということは変にフラグ制御みたいなことはされていないかも知れない。

先へ行こう。話に登場したある人名を入力すると、サイモンが何者なのか、そしてサイモンの身に何が起きたのか、少し分かった。サイモンの服装なども知れて、推理ゲームっぽい。この事件がとにかくこのゲームの主軸なんだろうか。そして、初めての実績「フェンネルって食べたことある?」を取得した。


この日はB6判のメモ4枚を使った
さらに進める。地名を入力して映像を視ていくと、ビデオの女性が気になるキーワードを。今度はこの漢字2字のワードで検索。

すると、13本の動画。視られる最初の5本のうち、1本は視聴済みだ。残り4本を視ていくと、女性の身の上話が色々と出てきた。ふむふむ。悲しいこともあったようだ。そして、4本中3,4本目で

!!!注意!!!

ここからはネタバレに配慮しません。無意味なバレ(ただ単に犯人の名前を言う、のような)はしませんが、重大なネタバレはたくさんします。どんどん核心に近づいていくと思いますし、攻略手順も明かしていくことになるでしょう。

本作を未プレイで、今後プレイする可能性がある方は、この先を読まないようにしてください

下にスクロールして行くと、3日目のプレイ日記が始まります。































プレイ3日目

「グラスゴー」→「妊娠」と進むと、今現在妊娠しているという旨のセリフが。えっ、そうなの? ここでBGMが変わった。こういう演出もあるのか。

次は「妊娠 誕生日」で検索してみた。すると、ちょっとホラーっぽい演出が入ってめちゃくちゃ驚いてしまった。何だ、これは? 何を示唆しているんだ? この2つのクリップは重要なことを言っている気がする。が、まだはっきりと意味が取れなかった。妊娠を伝えたハナという人とは、どんな間柄なのだろう。

次は「流産」を調べた。最後のクリップがすごい。(私のメモから)「ハナは流産して子供が産めない体になった。まるで宇宙がその歪みを正したかのように私たちはまたひとつになった」???

かなり混乱したが、双子ということだろうか? もしかしたら、このクリップで喋っている人はずっと同一人物ではなかったり?

次は「ハナ」で検索。するとまた衝撃。ヒット件数が271件! これは何も入力しなかったときのヒット件数と同じだ! 何故だ? しかも、タグボックスに自動で「ハナ」と入った。

とにかくクリップを視てみる。そうか…… ゲームを開始して最初に視たときのことを忘れていた。この女性は、最初に「ハナ」と名乗っている…… 素直に受け取れば、ハナと名乗る人が、ハナのことを他人のように語っている。

もしや、と、ここでゲーム中ではまだ出会っていない言葉の「双子」で検索する。一気に進展するかもしれない…… いや、ダメだ。クリップはあったが、否定されるばかりだった。嘘をついているかも知れないが、ともかく突破口ではなかった。このあたりで、今分かっていることを一旦表や図にまとめるべきか。

今日の検索はここまで。デスクトップの「DBチェッカー」は、恐らくクリップの視聴履歴だろう。これによると、今までに視たクリップ数はちょうど50だった。まだ2割も行っていない。


プレイ4日目

時間の都合で今日は短時間のみ。昨日終わったときは「まとめ作業から始めよう」と思っていたが、適当に少し検索するだけにした。メモは今まで通り取る。

すぐにでも検索したいワードがなくなったので、ここで「殺」1文字で検索してみることにした。「殺人」から1文字削るという発想。すると、ビーチで喧嘩したイヴなる人物の話などが。続いて「イヴ」を調べる。7件。視てみると、これはちょっとキーになりそうな人物だなあ。ビデオの女性が突っ伏すクリップも出てきて、因縁ありそうな感じ。そして、最後のクリップは「母は私をイヴと呼んだ」……? え?

次は「母」で検索。2つめのクリップ(27/06)が長い! しかも、死体発見時の話が出てきた。このクリップも重要そう。さらに、母と来たら「父」だ。連想ゲーム。最後のクリップ(03/07)が興味深いが、どうも意味が取りにくい。これは後で見返そう。

続いて、「キノコ」「弁護士」「逮捕」「容疑者」で検索。ビデオの女性が疑われていく過程が。疑われるのは時系列的には後ろの方だ。この間を埋めたいのだが、まだ決め手が見つからない。「彼"ら"が死んでいた」「性病で気分も悪かった」と言うフレーズ、ダグとエレノアという人名あたりが気になった。

今日はここまで。ちょっとだけ触るつもりが、結構進めてしまった。進んだというか、手がかりを探し回っている感じだけど。B6判のメモは13枚めに入った。結構ビッシリ書いている。

このあたりで気になってきたこと。この事情聴取をしている人物は誰なんだろう。単なる名もなき警察官というわけではなさそうな気がする。そして、この映像を見ている「私」、モニタにときどき映る「私」は誰?

プレイ5日目

またも時間がない。いやまあ、別のゲーム遊んでたからってこともあるんだけど。ともかく、昨日最後の方で出てきた人名の「ダグ」と「エレノア」だけ検索して寝ようと思う。この2人は何なのか。

まずダグの方。「ダグもエレノアもとても心配してる」…ダグとエレノアがビデオの女性(ハナ?)の両親なんだろうか。2つめのクリップ(25/06)は、視終わった後にほぼ無音になった。演出? たまたま? 4つめのクリップ(30/06)はサイモン失踪に気づく前後の描写、結構重要そう。5つめのクリップ(30/06)は1984年に起きたことの説明。次いで「エレノア」の検索をしたが、ほとんどダグと重複していた。

次いで、子供、ラプンツェル、髪の毛、髪、指、指紋、ギター、袋、という順で検索した。ダグとエレノアだけで寝ようとは何だったのか。重要そうな話、面白い話が次々出てきて寝れなくなってしまったのだ。「髪」のところの歌が特に興味深かった。これ、見立て殺人みたいなものなのかなあ。ラプンツェルのイラスト集の話も妙に不穏。

そういえば、実績が立て続けに3つも開いた。DBチェッカーによると約110クリップまで進んだ。このプレイ日記、あと2日で完結させようと思ってるんだけど、間に合わないかな

プレイ6日目

時計、歌、タトゥー、行方不明、死、刑事、オックスフォード、ガラス、王子、電話、などで検索。アザやタトゥーの有無は、映像で再チェックする必要があるのだろうか。

ところで、ときどき検索がうまくはたらかない現象があるようだ。明らかに一部のクリップだけがヒットするはずのワードで、271件(全クリップ)になってしまうことがある。さらに、同じワードでも正しく検索できるときと全件ヒットになってしまうこともある。ちょっと困った。以前「ハナ」が全件ヒットになる! と興奮したが、もしかしたらただのバグかも知れない。Macの日本語入力とコンフリクト起こしてるとか、そんな気がする。

仕方ないので、別の検索を。「あ」「い」「う」「え」「お」というワードも少し試して、ちょっとずつ未見も視た。もう半分以上視聴済みだからこういうのもありでしょ。

いろいろ試すうち、「帰」の1文字で検索したときに「フローレンスは私を連れて帰った」と言うクリップ(03/07)を発見。「フローレンス」は新しい人名なので早速検索にかける。すると、これが決定的だった。フローレンスは助産師の名前で、「私とハナは同時に生まれて」との発言が出てきた。その後、出生とかフローレンス自身の話が。なるほど……ワケありではあったが、やはり双子か! そして、「双子」という言葉は使われていない。検索でヒットしないわけだ。

どうも、日付03/07のクリップは、もう最後の告白という感じのようだ。観念したのだろうか。DBチェッカーを「更新」をかけながら注意深く見ると、ゲーム冒頭の「殺人」で出てくるクリップの1つが、時系列順で最後のクリップだと気付いた。なんとまあ。大胆な。

その後さらに、鏡、車、ベッド、日記、通り、地下室、などで検索した後、「バー」で検索。「最初の人(相手)はカールって男」との言葉が。これもまた決定的。ハナと03/07クリップの女性が、どうすりかわっていたのかが語られた。しかしさて、では今喋っている女性の名前は何なのだ、という疑問は残る。さらに「名前」で検索。そういえば試していなかった。でも肝心の名前は分からず。

この日は実績を7個目(13個中)までオープンした。
DBチェッカーはこんな感じ

DBチェッカーの、長く空白が空いているところにアクセスできれば、いよいよ終わりが近いのかなと思う。あとは何が必要だろう?


プレイ7日目

時間の都合で短時間だけ。いや、今度は本当に。

セックス、浮気、おとぎ話、で検索して、10個の新規クリップを視聴。収穫は、ハナと別れて暮らしだしてからの話ぐらい。

7日目で終わる予定だったが、もう少し延長して、ちゃんと終わらせる。全クリップ視聴まではやらないつもり。全試聴が終わらせる条件だったらどうしよう…… というか、まだどうなったら終わるのかすら分からないんだよな。スタッフクレジットはあるんだろうか。

プレイ8日目

いよいよ検索のとっかかりの言葉がなくなってきたので、ちょっとローラー作戦っぽくやっていく。例えば、以前の「あ」「い」「う」……検索の続き。重要そうなワードだけど6件以上ヒットしたものに対して、そのワード+1文字。「○歳」。「○時」。こうしてちょこちょこと埋めていく。未視聴クリップは40件。

その他、「プレゼント」「ウィッグ」「鏡」あたりの検索で割と収穫があった。

いろいろと検索する中で、全件ヒットバグ(?)の対処法が分かった。全件がヒットしてしまったら、そのまま再度検索を実行すればよかったのだ。これでようやくまともに進められるぞ。

ふと気づいたこと。ローラー作戦でなく丹念に見ていく場合、「紅茶」「コーヒー」はキーになるワードかもしれない。今喋っているのはハナか〇〇か、というときに、これで判別できる気がする。たぶん。

プレイ9日目(終)

おかしい。検索を続け、残りクリップ数は28。全体の約1割まで減った。ときどき未視聴クリップを見つけてもめぼしい新情報はない。怪しいところと言えば、
  • 「03/07」の始め頃に10件ほど連続で未視聴クリップがあるところ
  • 最後から2,3件めのクリップが未視聴なところ
ぐらいだ。

そして、肝心のストーリーも、おおよそ理解できていると思う。本当にただクリップを見るだけなんだろうか? 区切りらしい区切りはなくて、「終わりだと思ったら終わり」なのだろうか? 

検索を地道に行うことでもう少し未視聴を減らせると思うが、ちょっと不毛だ。あるいは、逆に何か重要なことに気づいていなくて、まだ頭をひねらないと攻略できないのかもしれない…… 結局、攻略サイトに手を出した。半分ギブアップである。ただ、スタッフクレジットの出し方や全体の解説は見ずに、「全クリップの検索の仕方」だけ調べることにした。

ダブルクォートが必要なアレは気づかんなあ、と思いつつ、全クリップを埋めた。最後から2,3件めのクリップでは、「彼女はもういない」が気になった。でもまあ、狂言の可能性も考えれば驚くほどではない。他も、重要な発言は無いように思えた。DBチェッカーは確かに全部埋まったが、何も起こらなかった。ううむ……

もう完全に自力解決を諦め、しっかり攻略記事を読むことにした。スタッフクレジットはやはりあったようだ。しかし、クレジットに至る入り口である「Chit Chat」が、私の画面には出てきていない。5箇所ぐらいで攻略方法の解説を読んだが、Chit Chatの出し方は「検索していると出てくる」と書いてあるか、あるいは普通に途中で出てくるというような風情でしか書かれていない。全クリップ視たのにまだ条件を満たしていないとすれば、
  • 特定のワードで検索を行う
  • 特定のクリップを最後まで飛ばさずに視聴する
  • 特定のクリップを特定の順番で視る
というあたりか。特定ワードで検索ってのはちょっとありそう。ストーリーを理解しているかの判定にはなりそうだから。ただ、バグもありえそうな気がする。実際検索が上手くいかない現象が起きていたので、どうしても疑ってしまう。さらに検索を重ねたり、最初からやり直すだけの気力はなかった。エンディングの内容を攻略サイトで読んだ。終いにしよう。

体験を終えて

トラブルはあったが、全体的には楽しかった。まずはこのゲームスタイルが素晴らしい。森を分け入るかのようにクリップを探して行くのが実に楽しかった。今作はエモーショナルな部分も大きかったが、このスタイルでもっと推理に寄せたシナリオもやってみたい。

演者も良かったし、各映像への仕掛けの緻密さも素晴らしかった。映像を通しで視るようなモードがほしいなあ。あ、それと日本語訳の仕事もナイス。ただ、日本語話者がプレイする場合、音声で所有格を確認した方がいいかも(my〜 なのか her〜 なのか a〜 なのか)。

推理面というかトリックについては、基本的にはストレートで、裏の裏の裏まで考えたりするようなことはなかったと思う。むしろ、ちょっと無理があるし、オーバーに「双子であることを気づかせようとしている」という感じがした。でも、ガチガチの推理ゲームではないし、これでいいのかも知れない。断片的に見ていく形式だし。

最後の方でイヴが言う通り、「全て作り話」とか、多重人格という可能性を否定はしきれない。そのあたり、丹念に見て行くとはっきりするのかまでは分からなかった。想像にお任せってことでいいのかな?

まあそんなわけで、予定より2日オーバーしたけど、『Her Story』のプレイは終わり。心に残るゲームでした。ああ、あのモールス信号も解読しないと……

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