ピラミッド地形で遊ぶゲーム集 渋(後編)
前記事に続き、『渋』のゲームをさらに3つ紹介します。
前記事では、『渋』自体の説明や、基本的なゲームを紹介していますので、未読の方はそちらからどうぞ。
では早速始めます。
なお、「触れている」「繋がっている」という表現は、いずれもボール同士が実際に触れている必要があります。前記事の『スポネクト』と同じ要領です。
また、今回も2人用ゲームに絞って紹介します。
────
●人数: 2人
●複雑さ(1〜5): 2
自分と相手のボールを一緒に置くゲームです。
自分の色のボールを、相手より大きく繋げることが目的です。
ボードを空っぽにしてゲームを始めます。
(なおこのゲームでも、一方が白プレイヤーで、もう一方が黒プレイヤーです)
1手番で、白と黒のボールを1個ずつ置きます。この2個のボールは触れ合っていないといけません。置き場所は、4×4平面でも土台上でも自由。
パスはできません。
ピラミッドが完成するまでプレイします(途中で置けなくなってしまう事態は起きません)。完成したらゲーム終了。
終了時に、同色ボールが何個繋がっているかを見ます。隠されたボールは無効になります。色ごとに最も大きく繋がったところを見て、そのボール数が多い方が勝ちです。同数なら、黒(後手)の勝ちです。
──(ルールは以上です)──
自分の担当色というものはあるのですが、相手の色も一緒に置くところがトリッキーですね。でもルールが易しく、目的も分かりやすいので、遊びやすいです。ほどよく悩めると思います。
実はこのゲーム、ネスターゲームズの他作品『太極(Taiji)』とルールがそっくりです。タイトルからも何となく分かるように、太極の渋版というわけなんですね。この類には他に、スパバ Spava(ヤバラスの渋版)、スパオ Spao(オメガの渋版)などがあります。
────
●人数: 2人
●複雑さ(1〜5): 2
────
ボールを置くたびに得点が入るゲームです。
この得点を多く獲得することが目的です。
得点を記録する手段が何かしら必要です。
ボードを空っぽにしてゲームを始めます。
手番には、ボールを2個置きます。
置くボールの色は、自分の色か赤から選びます(同色2個でもかまいません)。
ボールの置き場所は自由で、4×4平面でも土台上でも置けます。
パスはできず、必ず2個のボールを置きます(最終手番だけは、1個置いて終わることになります)。
先手(白)の初手に限り、2個置いたあと、もう1個赤ボールを置く義務があります。
ボールを1個置くたびに自動で得点が入ります。
自分の色のボールを置いたときは、それに触れる赤ボールの数が得点です。
赤ボールを置いたときは、それに触れる自分の色のボールの数が得点です。
得点は、「どちらのプレイヤーが何点リードしているか」だけを記録しますので、一方のプレイヤーは0点になります。
ピラミッドが完成して置く所がなくなったらゲーム終了。得点を獲得している方の勝ちです。0対0の場合のルール記述は特に無いようです。
──(ルールは以上です)──
この紹介で初めて3色使うゲームですね。ゲームの種類としても、ここまでと毛色の違う、得点計算系のゲームです。
メカニズムとしては全然違う気がするのですが、エリアマジョリティのボードゲームをやっている気分になりました。あっちも押さえなきゃ、こっちも押さえなきゃ、と。
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●人数: 2人
●複雑さ(1〜5): 3
────
駆け引きのゲームです。
任意の色のボールを4個だけ繋げることが目的です。
ちょっと変わったゲームです。プレイヤーの色というものはありません。
ボールを保管するための容器を4つと、ついたてなどの目隠しがあると遊びやすいです。
ボードは空っぽで始めます。
白・黒・赤のボールを、1人各色8個持ってゲームスタートです。この所持ボールは相手から隠しておきます。
ゲーム中にボールを捨てることもありますが、捨てたボールはプレイヤーごとに保管しておき、やはり内訳は隠します。
プレイヤーごとの手番というものはありません。両プレイヤーは、同時に1個のボールを見せ合います。ボールには3すくみの強弱関係があり、白>黒>赤>白 となっています。
勝った方は、見せたボールを置きます(強制)。置き場所は、4×4平面でも土台上でも自由。
負けた方は、見せたボールを捨てます。
引き分けなら、両者ボールを捨てます。
ボールを置いたら、同色ボールが何個繋がっているかを見ます。隠されたボールは無効です。結果、「ちょうど4個」繋がっていたらゲームに勝利します。ただし、「ちょうど3個」または「5個以上」繋がっていたらゲームに敗北します。
出すボールがなくなったら、捨てたボールを使って同様に続けます。
──(ルールは以上です)──
そう、じゃんけんです! この発想にはちょっと驚きました。
じゃんけんと言っても、そのタイミングごとに勝ちたい色と勝ちたくない色があり、またお互いの持ちボール数も異なるので、「運」よりは「駆け引き」のゲームになっています。記憶力も問われますね。
今回は2人ゲームに絞りましたが、3人以上で遊べるゲームや1人用ゲームもありますよ。
渋には拡張アイテムが色々と販売されており、より大きいボードや追加のボールが入手できます。例えば筆者は『アッパーハンド(UpperHand)』というゲームを遊ぶために、5×5ボードを追加で購入しました。渋ゲームの中にも、5×5ボードの方が面白いものがあるかも知れません。
また、同じく「ボール&ピラミッド地形」を使うゲームである『マーゴ(Margo)』は兄貴分として紹介されており、ある程度互換性がありますね。
以上、『渋(Shibumi)』の紹介でした。
【2019年12月6日 更新】
本記事は2018年12月21日に公開しましたが、『渋 ルールブック』日本語版の発売後の現状に合わせるためにいくつかの記述を更新しました。日本語版からの盗用にならないよう、用語はこの記事公開時点から変更していません。ただ、ゲーム名の日本語表記だけは合わせるよう、『スプライン プラス』は『スプライン+』に変更しました。また、もともと中途半端に記述をしていた(ルールの網羅度が低かった)『スプラッシュ』の紹介はまるまる削除しました。
前記事に続き、『渋』のゲームをさらに3つ紹介します。
前記事では、『渋』自体の説明や、基本的なゲームを紹介していますので、未読の方はそちらからどうぞ。
では早速始めます。
なお、「触れている」「繋がっている」という表現は、いずれもボール同士が実際に触れている必要があります。前記事の『スポネクト』と同じ要領です。
また、今回も2人用ゲームに絞って紹介します。
スパイジ Spaiji
データ(渋ルールブックより)────
●人数: 2人
●複雑さ(1〜5): 2
────
自分と相手のボールを一緒に置くゲームです。
自分の色のボールを、相手より大きく繋げることが目的です。
ボードを空っぽにしてゲームを始めます。
(なおこのゲームでも、一方が白プレイヤーで、もう一方が黒プレイヤーです)
1手番で、白と黒のボールを1個ずつ置きます。この2個のボールは触れ合っていないといけません。置き場所は、4×4平面でも土台上でも自由。
パスはできません。
ピラミッドが完成するまでプレイします(途中で置けなくなってしまう事態は起きません)。完成したらゲーム終了。
終了時に、同色ボールが何個繋がっているかを見ます。隠されたボールは無効になります。色ごとに最も大きく繋がったところを見て、そのボール数が多い方が勝ちです。同数なら、黒(後手)の勝ちです。
白は8個。黒は(奥が見にくいけど)10個。 黒の勝ち |
──(ルールは以上です)──
自分の担当色というものはあるのですが、相手の色も一緒に置くところがトリッキーですね。でもルールが易しく、目的も分かりやすいので、遊びやすいです。ほどよく悩めると思います。
実はこのゲーム、ネスターゲームズの他作品『太極(Taiji)』とルールがそっくりです。タイトルからも何となく分かるように、太極の渋版というわけなんですね。この類には他に、スパバ Spava(ヤバラスの渋版)、スパオ Spao(オメガの渋版)などがあります。
スプライト Sprite
データ(渋ルールブックより)────
●人数: 2人
●複雑さ(1〜5): 2
────
この得点を多く獲得することが目的です。
得点を記録する手段が何かしら必要です。
ボードを空っぽにしてゲームを始めます。
手番には、ボールを2個置きます。
置くボールの色は、自分の色か赤から選びます(同色2個でもかまいません)。
ボールの置き場所は自由で、4×4平面でも土台上でも置けます。
パスはできず、必ず2個のボールを置きます(最終手番だけは、1個置いて終わることになります)。
先手(白)の初手に限り、2個置いたあと、もう1個赤ボールを置く義務があります。
ボールを1個置くたびに自動で得点が入ります。
自分の色のボールを置いたときは、それに触れる赤ボールの数が得点です。
赤ボールを置いたときは、それに触れる自分の色のボールの数が得点です。
得点は、「どちらのプレイヤーが何点リードしているか」だけを記録しますので、一方のプレイヤーは0点になります。
白プレイヤーが赤を置いた。 白4個に触れているので4点獲得 |
ピラミッドが完成して置く所がなくなったらゲーム終了。得点を獲得している方の勝ちです。0対0の場合のルール記述は特に無いようです。
──(ルールは以上です)──
この紹介で初めて3色使うゲームですね。ゲームの種類としても、ここまでと毛色の違う、得点計算系のゲームです。
メカニズムとしては全然違う気がするのですが、エリアマジョリティのボードゲームをやっている気分になりました。あっちも押さえなきゃ、こっちも押さえなきゃ、と。
スパジリック Spagyric
データ(渋ルールブックより)────
●人数: 2人
●複雑さ(1〜5): 3
────
任意の色のボールを4個だけ繋げることが目的です。
ちょっと変わったゲームです。プレイヤーの色というものはありません。
ボールを保管するための容器を4つと、ついたてなどの目隠しがあると遊びやすいです。
白・黒・赤のボールを、1人各色8個持ってゲームスタートです。この所持ボールは相手から隠しておきます。
ゲーム中にボールを捨てることもありますが、捨てたボールはプレイヤーごとに保管しておき、やはり内訳は隠します。
プレイヤーごとの手番というものはありません。両プレイヤーは、同時に1個のボールを見せ合います。ボールには3すくみの強弱関係があり、白>黒>赤>白 となっています。
勝った方は、見せたボールを置きます(強制)。置き場所は、4×4平面でも土台上でも自由。
負けた方は、見せたボールを捨てます。
引き分けなら、両者ボールを捨てます。
ボールを置いたら、同色ボールが何個繋がっているかを見ます。隠されたボールは無効です。結果、「ちょうど4個」繋がっていたらゲームに勝利します。ただし、「ちょうど3個」または「5個以上」繋がっていたらゲームに敗北します。
赤を置くシーンだが、 どこに置いても負けになってしまう…… |
──(ルールは以上です)──
そう、じゃんけんです! この発想にはちょっと驚きました。
じゃんけんと言っても、そのタイミングごとに勝ちたい色と勝ちたくない色があり、またお互いの持ちボール数も異なるので、「運」よりは「駆け引き」のゲームになっています。記憶力も問われますね。
最後に
渋の紹介はここまでにしたいと思います! これでもたった6ゲームで、あと30ゲーム近くあります。すごいボリュームですね。似通ったゲームも入ってはいますが、ユニークなアイディアのゲームも多く。目を見張るバラエティ度です。今回は2人ゲームに絞りましたが、3人以上で遊べるゲームや1人用ゲームもありますよ。
渋には拡張アイテムが色々と販売されており、より大きいボードや追加のボールが入手できます。例えば筆者は『アッパーハンド(UpperHand)』というゲームを遊ぶために、5×5ボードを追加で購入しました。渋ゲームの中にも、5×5ボードの方が面白いものがあるかも知れません。
また、同じく「ボール&ピラミッド地形」を使うゲームである『マーゴ(Margo)』は兄貴分として紹介されており、ある程度互換性がありますね。
以上、『渋(Shibumi)』の紹介でした。
【2019年12月6日 更新】
本記事は2018年12月21日に公開しましたが、『渋 ルールブック』日本語版の発売後の現状に合わせるためにいくつかの記述を更新しました。日本語版からの盗用にならないよう、用語はこの記事公開時点から変更していません。ただ、ゲーム名の日本語表記だけは合わせるよう、『スプライン プラス』は『スプライン+』に変更しました。また、もともと中途半端に記述をしていた(ルールの網羅度が低かった)『スプラッシュ』の紹介はまるまる削除しました。
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