コネクションゲームの古典 ヘックス
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◆タイトル: Hex
◆人数: 2人
◆複雑さ(1〜5): 2
◆時間: 30分(11×11ボード)
◆価格: 22ユーロ(スタンダード版11×11ボード)
◆ゲームデザイナー: Piet Hein
◆個別ページへのリンク
◆説明書なし
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※複雑さは2とありますが、ルール理解難度はぶっちぎりで低いです!
今日は『ヘックス(HEX)』の紹介です。コネクション(接続)ゲームというジャンルのゲームであり、また歴史あるゲームという側面も持ちます。
歴史
このゲームはネスターゲームズ生まれではなく、1942年にピート・ハインが、1948年頃にジョン・ナッシュが独立に考案したものです。ナッシュは、このゲームについて「(互いに最善を尽くすと)先手必勝である」ことも証明したとされています。また出版という意味では、パーカーブラザーズ社やエポック社などが発売していたことがあります。今回は、ネスターゲームズ版を使って説明します。
「超」が付くほどシンプルなルール
このような事情もあってか、ネスターゲームズ版には説明書が入っていませんので、ルールをここで全て説明します。- 盤面を空っぽにして始めます。1人が赤、1人が青を担当します。
- かわりばんこに、自分のコマを空きマスに1個ずつ置いていきます。
- 自分の色がついたボードの対辺を、自分のコマで繋いだら勝ちです。
青の対辺を繋いだ青プレイヤーの勝ち |
このルールには一切の例外がありません。強いて言うなら、ボード4隅のマスが両方の辺に接しているとみなす、というぐらいでしょうか。見た目どおりですけどね。
それと、熟練度が同じぐらいの人が対戦する場合は、ヤバラスのページで紹介した「パイルール」を使った方が良いでしょう。先手有利なのは明らかです。
Q. 置けない場所は?
A. 空きマスならどこでも置けます。
Q. 本当にどこでも?
A. どこでも。
A. ボードが埋まれば、一方は必ず繋げることが証明されています。
Q. 同時に対辺を繋いだら?
A. 起きないよそんなこと。
と、ルールが少なすぎて1人Q&Aをしちゃうぐらい書くことがないです。
数々のゲームの礎
実は、ヤバラスセットで遊べるゲームで紹介したグループ系のゲームは、大なり小なりヘックスのテクニックが利用できます。その他、ヘックスが元になっているorテクニックが有効であるゲームは多く、ネスターゲームズ内だけでもコンヘックス、デュプロヘックス、インフェクション、アクロンなどがあります。
ゲームの教養(?)として遊んでおくのもいいんじゃないでしょうか。
プレイ感など
恐らく1回遊べば気づくと思うのですが、基本的な手筋(定石)があります。もしかしたら、遊ぶ前に気づいちゃうかも。その手筋からさらに考えを進めていくと、極めて鋭い(シビアな)ゲームだと分かります。初心者と熟練者では勝負にならないはずです。一方のプレイヤーだけ初プレイなら、初の人が先手で、パイルール無しにすると良いでしょう。変に手加減しにくいのは、難点と言えば難点かも。ただオセロなどと違い、置いたコマはゲーム終了までそのままです。動いたり、取られたり、ひっくり返ったりしないわけです。そのため、先の先まで見通しやすく、考えるのが苦になりにくいと思います。
物足りなくなったら、このゲームはボードサイズが任意なので、サイズを上げてみましょう。ネスターゲームズからは14x14版が出ています。
参考書籍
書籍『ヘックス入門』(半沢英一、ビレッジプレス、2013)では、ヘックスが取り上げられています。これはヘックスで勝てるよう攻略するという趣旨ではなく、ヘックスが先手必勝であることの証明、数学的背景が主です。また、その証明の準備のために「ウールワース」「ニム」という2つのゲームにそれなりのページ数が割かれています。判型が6角形! |
この本の中で「戦術を書いた洋書」「より高度な手筋については(こちらを)ご覧ください」と書かれているのが『Hex Strategy』(Cameron Browne、A K Peters、2000)です。私は未所持なので詳しく語れませんが、こちらは本当に戦術書のようです。
他にも、書籍や論文がいくつかあります。もちろん、フツーに遊ぶ分には難しい理論は不要ですよ!
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