ザイク Zaic

2020年5月24日

ネスターゲームズのゲーム紹介

t f B! P L
制約乗り越え陣地拡大 ザイク


データネスターゲームズ公式サイトより)
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◆タイトル: Zaic
◆人数: 2人
◆複雑さ(1〜5): 2
◆時間: 15分
◆価格: 39ユーロ
◆ゲームデザイナー: Erik Dresner
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日本語説明書へのリンク
注: この記事には初版の写真を載せていますが、上記価格は2版のものです。
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自分のタイルをつなげるゲームZaic(ザイク)を紹介します。

ボードすらなく、見た目はミニマルそのもの。しかし、配置制限が巧みに絡み合う、シャープに悩ましいゲームです。

初版と2版の違い

先に、版の違いについて触れておきます。現行は2版(Second Edition)です。初版と2版でルールは変わらず、コンポーネント(用具)だけが変わりました。いや細かく言えば、コットンケース横のシンボルマークも変わりましたね。

初版は白(正確には薄いグレー)と青のプラスチックタイルです。現行の2版は白と黒の半透明アクリルタイルです。厚みも増して高級感が出ましたが、価格も上がりました。

本記事の写真では初版を用いていますので、ご注意下さい。2版の写真は、公式サイトの作品個別ページをご覧下さい。
初版のタイル
本稿執筆時点では、作品個別ページに「まだ初版の在庫があります。メールを下さい」と記述があります。初版が気になる方は、問い合わせてみてはいかがでしょうか。

ゲームの概要

いくつかの配置制限を守りながら、自分の色のタイルを置いていきます。テーブルに直接置くだけでなく、他のタイルの上に載せることもできます。

目的は、最終的に自分のタイルを大きくつなげること。上から見たときに広くつながっている方が勝ちです。配置ルールをより活かしたプレイヤーが勝利するでしょう。

ルール説明

2人用のゲームです。各プレイヤーは担当色を決めて、その色のタイルを全て手元に置きます。

説明書によれば、経験の少ないプレイヤーから始めるそうです。先手の初手だけは、自分のタイルをどれでも1枚テーブルに置きます。

以降は、配置ルールに従って置きます。パスはできません。

タイルの大きさは3種類ありますが、最も小さいタイルのサイズを「1マス」と呼びます。タイルを置くときは、1マス単位で置かないといけません(半マスだけずらして置く、斜めに置くなどは不可)。
マスに沿って置いていない例
(赤枠のタイル)

他の配置ルールは、
  • テーブルに直接置く(「1階」に置く)場合

  • 他のタイルに載せる(「2階」以上に置く)場合
で異なります。以下、分けて説明します。

テーブルに直接置くときの配置ルール

他のタイルに辺で接するように置きます。
角だけで接しているのはダメ
(右下のタイル)

自分の色のタイルに、辺で接してはいけません。ただし、「自分の色のタイル」かどうかは、一番上のタイルだけを見て判定します。
青同士が接するからダメ
これならOK!
(赤枠のマスは下に青タイルが隠れているが、
白のマスとみなされる)

全体が8×8マスに収まらないといけません
全体が8×9になってしまうからダメ

他のタイルに載せるときの配置ルール

タイルの一部が浮くところに置くことはできません。
注: 実は説明書に明記されていないのですが、こう解釈して問題ないと思います(「タイルを「傾けて」複数階層にまたがるような置き方はできません」とだけ書かれている)。

相手のタイルを1マス以上覆い隠すように置きます。
2×1の青タイルを……
赤枠に置くのはOK。
黄枠に置くのもOK。
黒枠に置くのはダメ(白を隠していない)

どのタイルも、完全に覆い隠すことはできません(ゲーム終了まで、どのタイルも最低1マスは見えているようにしなければならない)。
2×1の青タイルを赤枠に置くのはダメ
(黄枠にある2×2白タイルが、完全に隠されてしまうから)

終了と勝敗

どちらかのプレイヤーがタイルを置けなかったら、直ちに終了です。

各自、テーブル全体を上から見て、タテヨコに最も広くつながったエリアを探します。最も広いエリアを持っている方が勝ちです。同じ広さなら2番目に広いエリアでくらべ、以降も同様に判定していきます。
白の最大のエリアは面積5(赤枠)、
青の最大のエリアは面積7(黄枠)。
青プレイヤーの勝ち

プレイ感など

「つながりの広さ」で勝敗を競うゲームはいくつかありますが、このゲームはそれが最大限に活きている気がします。ちょっとのことで簡単にエリアが切られてしまうので、ダイナミックに勝敗がつきます。この見た目でチマチマしてないのはいいですね。立体的にエリアが広がっていくのもなんだか楽しいです。

ルールの量は決して多くないです。が、最初は何かしら制限を忘れたり、勘違いしがちです。例えば、上に載せるときは自分のタイルに隣接しても大丈夫なのですが、ダメだと思い込んでしまうとか。

しかしそれを乗り越えれば、このルールの妙がよく伝わってくると思います。意外と自由に置けないのです。きっと、序盤の自らのミスに気づき、「もう1回!」とやりたくなると思います。1ゲームが15〜20分程度というのもほどよいですね。




以上、『Zaic(ザイク)』の紹介でした。現代の洗練されたアブストラクトゲームを遊びたい方にはおすすめですよ。


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このゲームはネスターゲームズ(nestorgames)の作品の1つです。ネスターゲームズについてご存知ない方は、こちらの紹介記事をどうぞ!

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